バイクの自賠責保険が切れるとどうなる?罰則と更新できる場所、2026年11月からの料率改定まで

バイクの自賠責保険が切れるとどうなる?罰則と更新できる場所、2026年11月からの料率改定まで

愛車の自賠責、いつまで有効か即答できるだろうか。有効期限が切れたあとも更新しないで乗り続けると処罰の対象になる、と国土交通省は書いている。刑のほうは1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。それとは別に、違反点数6点が付き、免許は即座に停止処分になる。

やっかいなのは、期限を思い出させてくれる行事が車両によって違うところだ。自賠責に入っていない車両は車検を通せない。だから車検のあるバイクなら、車検のたびに嫌でも期間と向き合う。ところが排気量250cc以下は、国土交通省の分け方でいう検査の対象外にあたる。その節目がそもそも無い。

この記事では、切らすと何が起きるのか、どこを見れば期限が分かるのか、どこで更新できるのかを、国土交通省の自賠責保険・共済ポータルサイトの記載から拾う。あわせて、2026年11月1日を境に基準料率が変わる件も、損害保険料率算出機構の資料から書いておく。

目次

切らしたまま走ると、何が科されるか

国土交通省の「自賠責保険・共済の有効期限切れに注意」は、まず加入義務の範囲から説明している。クルマとバイクだけの話ではない。原付も、モペット(ペダル付き原付)も、電動キックボードも加入義務がある、と書かれている。

拘禁刑・罰金・免停

そのうえで、更新しないまま乗った場合の扱いが示されている。ひとつは刑事罰で、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。もうひとつは行政処分で、違反点数6点が付き、免許は即座に停止処分になる。

国土交通省のよくあるご質問には、この2つの根拠が書き分けてある。拘禁刑と罰金は自動車損害賠償保障法に基づくもの、点数6点のほうは道路交通法に基づくものだ。

証明書の扱いも見ておきたい。「もしも、自賠責保険・共済に加入していないと」のページによれば、事故を起こさなくても、証明書を持たずに走っただけで30万円以下の罰金が科せられる。シート下の書類入れを開けるついでに、期限も確かめてしまうのが早い。

ステッカーにも金額が付いている

有効期限切れのページには、ステッカー(標章)の表も載っている。自賠責のものと車検のもので額が分かれ、根拠となる法令も別だ。

表を読む前に、どちらが自分の話なのかをはっきりさせておきたい。ナンバープレートに貼る自賠責の標章(ステッカー)は、原付と軽二輪、つまり排気量250cc以下のバイクのものだ。「もしも、自賠責保険・共済に加入していないと」のページでも、駅前駐輪場などでの監視活動で見ているのは、ナンバープレートに自賠責の標章が貼られていない原動機付自転車や軽二輪車などだとされている。もう一方の車検ステッカーは、車検のある車両に貼るものになる。

  • 自賠責ステッカー(250cc以下の原付・軽二輪)… 貼らずに運転すると30万円以下の罰金。期限が切れたものを表示していると20万円以下の罰金。根拠は自動車損害賠償保障法
  • 車検ステッカー(車検のある車両)… 貼らずに運転すると50万円以下の罰金。期限が切れたものを表示していると30万円以下の罰金。根拠は道路運送車両法

自分のバイクに関わるのは、このどちらか一方だけだ。剥がれかけを放置する、古いものを貼りっぱなしにする。どちらも金額の付いた話だと分かれば、扱いが変わってくるはずだ。

財布に効くのは、罰金より事故のときの自己負担

罰金も免停も痛いが、国土交通省がページの前半に置いているのは、その先の話だ。未加入のまま人をケガさせる事故を起こせば、本来なら自賠責から出るはずだった賠償金が、まるごと自分の負担になる。

同ページは、被害者が亡くなった場合を例に挙げている。入っていれば限度額3,000万円までが自賠責から出て、それを超えた部分を任意保険が引き受ける。入っていなければ、その3,000万円ぶんを自分で賠償することになる、という説明だ。

ここは誤解しやすい。よくあるご質問は、「ファミリーバイク特約」や「対人無制限」の任意保険に入っていても自賠責には加入しなければならない、とはっきり書いている。自賠責を契約せず任意保険だけで走って事故を起こした場合、出るのは自賠責の支払限度額を超えた分だけだ、とも続く。任意保険そのものの相場と選び方はバイクの任意保険はいくら?相場と選び方を排気量・年齢別に徹底解説にまとめてあるが、その土台に自賠責が要る、という順番になる。

その限度額は、「自賠責保険・共済ってどんなもの?」「限度額と補償内容」に、被害者1人あたりの金額として出ている。

  • 死亡した場合 … 最高3,000万円
  • ケガをした場合 … 最高120万円
  • 後遺障害が残った場合 … 等級による。神経系統や精神、胸腹部の臓器に著しい障害が残り、介護が必要になるものは別枠で、常時介護(第1級)なら4,000万円、随時介護(第2級)なら3,000万円。それ以外は第1級の3,000万円から第14級の75万円まで

2点、補っておく。これは被害者1人ごとに置かれる額なので、被害者が複数なら人数ぶん立つ。そして物損は対象外で、人身の対人賠償だけが自賠責の守備範囲だ。どちらも同じページに書かれている。

さらに、未加入で事故を起こしたときには、国からの求償という話も出てくる。よくあるご質問によれば、国が被害者に損害のてん補をしたあと、その分を本来の賠償責任者に求償する。払わずに放っておけば国が裁判所に訴え、判決に従ってクルマ・土地・建物・給与などを差し押さえる、とまで書かれている。

250cc以下は、期限に気づく仕組みが別

「自賠責保険・共済ってどんなもの?」には、自賠責に入っていない車両は車検を受けられない、という一行がある。裏を返せば、車検のあるバイクは車検を通す作業の中で自賠責の期間が必ず視界に入る、ということだ。その車検にいくらかかるかは【2026年最新】バイクの車検費用はいくら?相場の内訳とユーザー車検で安く抑えるコツを徹底解説にまとめてある。

一方、よくあるご質問は、排気量250cc以下のバイクを「検査対象外軽二輪と原動機付自転車」と呼んでいる。検査の対象から外れている、つまり車検という節目が来ない区分だ。日ごろ期限を見るのは、乗っている本人ということになる。

廃車しても、保険会社には伝わらない

同じページに、もうひとつ知っておきたい事情がある。排気量250cc以下のバイクは、市区町村や運輸支局などで廃車の手続きをしても、そのことを保険会社の側がつかめない、というのだ。

だから国土交通省は、期間が過ぎたのに次の契約が確認できないバイクを拾い、その契約者あてに警告ハガキを送って、無保険の車両ではないかと注意喚起している。「もしも、自賠責保険・共済に加入していないと」のページによれば、この契約者あてのハガキは、自賠責の期間が終わってから概ね6ヶ月を過ぎても再契約が確認できない場合に送られる。切れた翌日に届くものではない。廃車したのにハガキが来るのは、この情報の断絶が理由だと説明されている。

逆のパターンもある。すでに更新しているのに届く場合について、よくあるご質問は、契約を結んでから、その情報が国土交通省側のシステムに載るまで、およそ2か月かかると書いている。行き違いだ。もうひとつ、届け出ている車両の情報が国土交通省側の把握と食い違っていると、システムが契約は続いていないと判断してハガキを出すこともあるという。その場合は保険証書の車両情報を見直し、間違っていれば保険会社に訂正を頼むことになる。

ハガキが届いたときにどうするかも、状況ごとに書いてある。そのバイクが手元にあって使っているなら、至急、契約の手続きを。知人などに譲ったのなら、譲った相手が無保険のまま走っている可能性があるので、連絡がつくなら加入について伝えてほしい。すでに廃車した、バイク店に引き取ってもらったという場合は、返信はがきの該当欄に廃車などの時期を書いて返す。

そして、誤りがあってもなくても、いまの契約内容を返信ハガキに書いて返してほしい、というのが国土交通省の求めだ。届いたら捨てずに返す、と覚えておきたい。

期限の確かめ方と、更新できる場所

ここは排気量で道が分かれる。250cc以下なら、見る先はナンバープレートの自賠責ステッカーだ。有効期限切れのページも、有効期限はステッカーで確かめるよう呼びかけている。

251cc以上は事情が違う。自賠責の標章は、さきほどのとおり原付と軽二輪に貼るものだ。車検のあるバイクのナンバープレートにあるのは車検ステッカーで、根拠になる法令も道路運送車両法と、自賠責の側とは別になる。つまり、ステッカーを見て自賠責が大丈夫だと判断できるのは250cc以下の話だ。車検のあるバイクは、備え付けが義務づけられている自賠責保険・共済証明書のほうを開くことになる。よくあるご質問によれば、契約している損害保険会社(共済組合)の連絡先は、その証明書の下欄に書かれている。判断が付かなければ、そこに聞くのが早い。

更新の窓口

有効期限切れのページは、更新の窓口をこう挙げている。バイクやクルマの販売店、保険や共済の代理店。それに、各損害保険会社や共済協同組合、農業協同組合。ページの原文は「販売店・保険(共済)代理店をはじめ」で、ここに挙がった先だけに限る、という並べ方ではない。手続き自体は簡単だ、と書かれている。

さらに、排気量250cc以下のバイク(軽二輪、原付)等であれば、一部のコンビニとインターネットという入り口もある。よくあるご質問はここをもう少し細かく書いていて、郵便局でも契約できる(簡易郵便局など一部の局は除く)、コンビニエンスストアは一部が扱っている、インターネット契約に対応している会社もある、という並びだ。細かい手続きと必要な書類は、入りたい保険会社か代理店に確かめてほしい、とどちらのページも添えている。

警告ハガキが届いた人向けの案内では、手続きができる先として、保険会社のほかバイク店、整備工場、郵便局、コンビニなどが挙がっている。行くときは、前の自賠責保険・共済証明書か、購入時の書類などを持っていくようにと書かれている。

降りるときは、解約も自分で

乗らなくなったときの話も書いておく。よくあるご質問によると、廃車(一時抹消を含む)したあとの自賠責の解約は、契約している保険会社の窓口で行う。代理店ではできない、と明記されている。

そして、解約が成立するのは廃車したときではなく、保険会社で手続きを済ませた時点だ、と釘が刺してある。戻る額は手数料と残り期間を勘案したもので、まだ保険期間が始まっていない段階で解約しても全額は戻らない。残りが1か月を切っている場合は、返ってくる保険料そのものが無い。車両側の手順はバイクの廃車手続き完全ガイド!必要書類・費用から『売却の方が得』な理由まで徹底解説にまとめてあるので、保険の解約と一緒に片付けてしまうのがいい。

2026年11月1日を境に、基準料率が変わる

更新の話をしたので、料金にも触れておく。損害保険料率算出機構は2026年4月30日、自賠責の基準料率を変える届出を金融庁長官あてに出した。機構が公開している「【自賠責保険】基準料率届出のご案内」(PDF)によれば、引上げ幅は平均6.2%になる。ただしこの6.2%は平均で、ご案内は改定率が車種や保険期間などの契約条件によって異なるとしている。ご案内が代表例として金額まで挙げているのも自家用乗用自動車で、二輪の読者がそのまま自分の値上げ幅として読む数字ではない。

境目は契約の始期だ。ご案内は、保険期間が2026年11月1日か、それより後に始まる契約から新しい料率を使う、としている。機構の「自賠責保険基準料率表」のページでも、2026年4月届出のものが同じ区切りで適用されることになっている。更新の時期が秋にかかる人は、新しい契約の始期がどちら側に落ちるかを見ておくといい。

二輪で例に出ているのは原付。改定率は表でいちばん高い

ご案内には「主要車種の改定率の例」という表が付いている。並んでいるのは乗用車や軽自動車、貨物車、そして一般原動機付自転車。二輪にあたるのは一般原動機付自転車で、軽二輪や小型二輪という言葉は、このご案内には一度も出てこない。

ここが二輪乗りには肝心なところだ。この表で改定率を車種ごとに見ていくと、いちばん高いのは一般原動機付自転車になる。24か月契約の表でも36か月契約の表でも、自家用乗用自動車や軽自動車より上で、平均の6.2%も上回っている。率と金額は上のリンク先のPDFの表にそのまま載っているので、自分の区分の行を見てほしい。

この表にも同じ注記が付いている。自分の車両がいくらになるかは、更新のときに窓口で確かめるのが確実だ。

値上げの理由も書かれている。ご案内は内訳を2つに分けている。ひとつは純保険料率の1.9%の引上げで、いまの純保険料率が2023年4月に引き下げられたとき、滞留資金を取り崩す前提で組まれていたこと、事故の緩やかな減少はあったものの、保険金の支払いでその資金が減ってきたことが背景として説明されている。もうひとつは社費と代理店手数料の4.3%の引上げで、こちらは物価・賃金の上昇が背景に挙がっている。ご案内は、2024年度に行った経費計算基準の見直しで支出社費そのものは削減されたとしたうえで、それでも収支の均衡を図るには引上げが必要になった、と続けている。

まとめ

自賠責は、入っていること自体が運転の条件になっている保険だ。切らしたまま走れば拘禁刑や罰金が待っているし、点数が付いて免許も止まる。そして事故を起こせば、本来なら保険から出るはずの賠償が、そのまま自分の負担になる。

車検のあるバイクは、車検が期限を思い出させてくれる。検査の対象から外れている排気量のバイクには、その仕組みが無い。だからこそ、250cc以下ならナンバープレートの自賠責ステッカーを、251cc以上なら自賠責保険・共済証明書を、今日いちど見ておいてほしい。車検ステッカーは、自賠責の期限を示すものではない。切れていたら、バイク店でも保険の代理店でも手続きはできる。排気量250cc以下なら、郵便局やコンビニという道もある。

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