モトブログを始めると、最初に迷うのが「GoProをどこに付けるか」だ。ヘルメットか、ハンドルか。画角の好みで決めたくなるけど、その前に読んでおきたい注意書きがある。GoProは、ヘルメットに付けるならヘルメットメーカーの説明書に従うようにと書いている。ここでは、GoPro公式のマウントのページと、ヘルメットメーカー(アライ・SHOEI)の取扱説明書・FAQ、そしてスマホで撮る人向けにAppleのサポート記事を読んで、取り付け位置ごとに確かめておくことをまとめる。ハンドルについては、ホンダの取扱説明書も読んだ。
先に結論
- GoPro公式の「ヘルメットフロント + サイドマウント」は、ヘルメットの前(フロント)か横(サイド)に付けるためのもの。粘着性のベースマウント(曲面)で貼り付ける
- GoProはヘルメットマウントの注意として、該当する安全規格を満たすヘルメットを選ぶことと、ヘルメット製造元の使用説明書に従うことを挙げている
- アライの取扱説明書は、メーカーに相談せずに帽体や発泡スチロールに孔をあけたり削ったりしないよう書いている。また、ヘルメットを50℃以上の熱にさらすと性能を大きく損なうとしている
- GoProの粘着マウントは、ヘアドライヤーで接着面を熱して外せるとGoProが書いている。ヘルメットから外すときは、アライの「50℃」の注意とぶつかるので、先にヘルメットメーカーに聞きたい
- SHOEIのFAQは、ヘルメットの外側にカメラを付けると、付けていないときと比べて風切り音が変わるとしている
- ハンドルにスマホを付けて撮るなら、Appleは高出力・大排気量のオートバイにiPhoneを取り付けることを推奨していない
GoPro公式のヘルメットマウントは「前か横」
GoProの「ヘルメットフロント + サイドマウント」は、名前のとおり、ヘルメットのフロント部分やサイド部分にGoProを付けるための純正マウントだ。商品ページによると、付属のスイベル式マウント アッセンブリで角度を調整できる。セットの中身として、スイベル式マウント アッセンブリのほか、曲面用の粘着性ベースマウント2個、垂直マウント用バックル、サムスクリューが挙がっている。
貼り付けに使うベースマウントについては、「粘着性ベースマウント(曲面 + 平面)」の商品ページに説明がある。防水性の粘着マウントで、曲面にも平面にも付けられる。ヘルメットのような丸い面には曲面用を使う、という作りだ。
ここからは筆者の読み方です。前と横のどちらが良いかは、撮りたい絵の好みの話なので、この記事では決めない。ただ、どちらの位置でも、次の節の注意書きは同じように当てはまる。
GoProが書いている注意:「ヘルメット製造元の説明書に従う」
GoProは、ヘルメットマウントの商品ページと粘着性ベースマウントの商品ページの両方に、同じ注意を載せている。GoProのヘルメットマウントを使うときは、いつも該当する安全規格を満たしたヘルメットを選ぶこと。そして、ヘルメットを安全に使うために必ずヘルメットの製造元の使用説明書に従うこと、というものだ。
つまり、GoProの側は「どこに貼ればいいか」を最終的にヘルメットメーカーに預けている。だから、ヘルメットメーカーが何を書いているかを読む必要がある。ここではアライとSHOEIを見た。
アライ:帽体や発泡スチロールに孔をあけない・削らない
アライのRX-7Xの取扱説明書には「ヘルメットの改造は厳禁!」という項目がある。そこでは、帽体に聴音孔をあけると衝撃吸収性能が下がり、風切音も大きくなるという例を挙げたうえで、メーカーに相談しないで帽体や発泡スチロールに孔をあけたり削ったりするのはやめるよう書いている。
ここからは筆者の読み方です。ヘルメットに穴をあけてネジで留めるような付け方は、アライの説明書に従うなら「メーカーに相談せずにはやらない」側に入る。GoPro純正の粘着マウントは貼るだけで穴はあけないが、貼る場所が使えるかどうかは、やはりヘルメットメーカーに確かめるのが筋になる。
外すときの「熱」は、ヘルメット側の注意とぶつかる
GoProの粘着性ベースマウントの商品ページは、ヘアドライヤーで接着面を熱すれば、マウントを外せると書いている。
一方でアライの取扱説明書には、高温で乾かすことを禁じる項目がある。そこでは、50℃以上の熱を受けたヘルメットは素材が変形したり変質したりして、性能が大きく損なわれるとしている。同じ項目では、ヘルメット全体や外した内装を、ドライヤーやストーブ、各種ヒーター類などで絶対に乾かさないように、とも書いている。
ここからは筆者の読み方です。アライのこの項目は「乾かすとき」の話として書かれていて、マウントを外す場面を名指ししているわけではない。それでも、ドライヤーでヘルメットの表面を温めることに変わりはない。GoProの外し方をそのままヘルメットに当てはめる前に、ヘルメットメーカーに「このモデルで粘着マウントを外すにはどうすればいいか」を聞いておきたい。貼る場所を決めるのと同じくらい、外すときのことを先に考えておくと迷わない。
SHOEI:カメラを付けると風切り音が変わる
SHOEIの製品共通のFAQには、同じヘルメットでもバイクによって風切り音に違いが出るか、という質問がある。答えは、カウルやスクリーンの有無・形で走行中の風の流れが変わるので、風切音も大きく変わる場合がある、というもの。そのうえで、インターコムやカメラをヘルメットの外に取り付けた場合も、取り付けていない場合とは風切り音が違ってくると書いている。
ここからは筆者の読み方です。モトブログでは、カメラのマイクやインカムで自分の声も録る。カメラを付けたことで風の当たり方が変わるなら、録れる音にも関わってくる。取り付け位置を変えたら、まず短い距離を走って音を聞き直すのが早い。
走りながらカメラを触らない
アライの取扱説明書には、走行中のヘルメット操作についての注意もある。走っている最中にシャッターの開閉などをすると、一時的にハンドルから手を離すことになり、運転に支障が出るおそれがある。だからヘルメットの操作は停車してから、という内容だ(シールドやサンシェードの開閉は視界の確保に必要なので、この限りではない、と但し書きがある)。
ここからは筆者の読み方です。ヘルメットに付けたカメラのボタンを押すのも、ハンドルから手を離す操作だ。録画の開始・停止は、走り出す前と止まってからにしておく。そう考えると、取り付け位置を決めるときに「走りながら手が届くか」を基準にする必要はない。
ハンドルに付けるなら、振動の話を先に読む
ヘルメットではなくハンドルに付ける人もいる。まず車体の側から見ておく。
ホンダのCB400 SUPER FOUR(2014年)の取扱説明書には「アクセサリーと改造について」という項目がある。アクセサリーを付けるときは、安全面からHonda純正アクセサリーを推奨し、Honda販売店に相談するよう書いている。警告の欄では、不適切なアクセサリーや改造は万一の事故のときに死亡または重大な傷害に至る可能性が高くなるとし、アクセサリーを付けるときはHonda販売店に相談のうえ、取扱説明書に従うよう求めている。
ここからは筆者の読み方です。これは1車種の取扱説明書で、カメラのマウントを名指ししているわけではない。それでも、ハンドルに何かを付けるのは「アクセサリーの装着」に当たる。自分のバイクの取扱説明書で同じ項目を開いてから付けるのが順番だと思う。
スマホで撮る人に向けては、Appleがはっきり書いている。
Appleのサポート記事によると、iPhoneのカメラシステムは、ある周波数範囲の振幅が大きい振動を受け続けると、性能が下がるおそれがある。とりわけ名前が挙がっているのがオートバイの高出力エンジンの振動だ。大排気量・高出力のエンジンが出す激しい振動は、車体(シャーシ)やハンドルを伝わってくる。だからAppleは、そういうオートバイにiPhoneを付けることを推奨していない。
原付やスクーターのような低排気量のバイク、電気で走るバイクについては、振動の振幅が比較的小さい場合があるとしつつ、損傷のリスクを減らすために防振マウントやジンバルを使うことを勧めている。さらに、長期にわたって常用するのは控えたほうがよい、とも書いている。
ここからは筆者の読み方です。この記事はiPhoneについてのもので、GoProについて書かれたものではない。GoProのハンドル付けが同じかどうかは、この記事からは言えない。ただ、「振動はハンドルを通じてカメラに届く」という点は、スマホでもアクションカメラでも、付ける前に一度考えておいていい。
付ける前に確かめること
ここまでに読んだ資料から、取り付け前に確かめられることを拾った(並べ方は筆者がまとめたもの)。
- ヘルメット:該当する安全規格を満たしたものか(GoProの注意)
- ヘルメットの説明書:取り付けについて何と書いているか。GoProは製造元の使用説明書に従うよう書いている
- 穴あけ:メーカーに相談せずに帽体や発泡スチロールに孔をあけたり削ったりしない(アライ)
- 外すとき:GoProはドライヤーで熱して外すと書き、アライは50℃以上の熱で性能を大きく損なうと書いている。先にヘルメットメーカーに聞く
- 音:カメラを外側に付けると風切り音が変わる(SHOEI)
- 操作:走行中にヘルメットの操作をしない(アライ)。録画の開始・停止は止まってから
- バイクの取扱説明書:アクセサリーの取り付けについての項目を読む(例:ホンダは純正アクセサリーを推奨し、販売店に相談のうえ取扱説明書に従うよう書いている)
- スマホをハンドルに:高出力・大排気量のバイクには推奨しない。低排気量でも防振マウントかジンバルを使う(Apple)
カメラやマイクの選び方、編集・投稿までの流れは、モトブログの始め方にまとめてある。ヘルメットそのものの交換の目安(衝撃を受けたヘルメットの扱いなど)は、使わなくなったヘルメットとバイクウェアを売る前にで、メーカーの説明を読んで整理した。

まとめ
- GoPro公式のヘルメットマウントは、ヘルメットの前か横に、曲面用の粘着性ベースマウントで付ける
- GoProは、安全規格を満たすヘルメットを選ぶことと、ヘルメット製造元の使用説明書に従うことを求めている
- アライは、メーカーに相談せずに帽体や発泡スチロールに孔をあけたり削ったりしないよう、また50℃以上の熱にさらさないよう書いている
- 粘着マウントをドライヤーで熱して外す方法は、ヘルメットの熱の注意とぶつかる。外す前にヘルメットメーカーに聞く
- カメラを外側に付けると風切り音が変わる(SHOEI)。録画の操作は止まってから
- スマホをハンドルに付けるなら、Appleは高出力・大排気量のバイクには推奨していない



