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バイクの二人乗りはいつから?通算1年は道路を問わず不可、高速はさらに20歳かつ3年

バイクの二人乗りはいつから?通算1年は道路を問わず不可、高速はさらに20歳かつ3年

後ろに人を乗せたい。でも「免許を取ってすぐは駄目」と聞いた ── どこからが駄目なのか、先に結論から。

  • まず、道路の種類を書いていない制限があります。二輪免許を受けていた期間が通算して1年に達しないあいだの二人乗りです。道路交通法第71条の4の第6項・第7項。
  • 高速自動車国道と自動車専用道路には、これとは別に第4項・第5項があります。「20歳に満たない」か「期間が通算して3年に達しない」かのどちらかに当たる人を止めるつくりです。
  • この4つの項には、いずれも括弧書きの例外が付いています。中身は道路交通法施行令第26条の3の3。ただしこの例外が効くのは期間のほうだけで、20歳という条件は残ります。
  • 何人まで乗せてよいかは、この条ではなく道路交通法第57条第1項と施行令第22条第1号の話です。二輪は車検証の数字ではなく、運転者以外の人のための乗車装置があるかどうかで決まります。側車付き(サイドカー)は、上の4つの項の対象から括弧書きで外されています。

この記事は、道路交通法・同施行令・標識令の条文を e-Gov 法令検索で開いて、第71条の4と、そこから飛ばされる先をひととおり読んだうえで組み直したものです。運営者が誰かを乗せた記録ではありません。数字と言い回しは、末尾の出典から確かめられます。

目次

条文は1か所にまとまっていない

二人乗りの条件は、道路交通法第71条の4(大型自動二輪車等の運転者の遵守事項)の第4項から第7項までに分かれて置かれています。同じ条でも、第1項から第3項まではヘルメットの話です。

4つの項は、次のように役割が分かれています。

  • 第6項・第7項 ── 道路の種類を書いていません。1年の話です。
  • 第4項・第5項 ── 「高速自動車国道及び自動車専用道路においては」と場所を限ったうえで、20歳と3年の話をしています。

そして各項はさらに、大型二輪免許を持つ人(第4項・第6項)と、普通二輪免許を持つ人(第5項・第7項)で条文が分かれています。「自分はどれか」を先に決めてから読むと迷いません。

一般道 ── 通算して1年に達するまで

第6項は、大型二輪免許を持っている人を相手にした項です。その免許を受けていた期間が「通算して一年に達しないもの」について、運転者以外の人を乗せて運転してはならない、と書いています。第7項が、同じことを普通二輪免許について書いた項です。ただし第7項には、書き出しの「者」に直接くっついた括弧があります。中身は「同項の大型自動二輪車免許を現に受けている者を除く」。大型二輪免許を現に持っている人は、この項の側では数えません。どちらの項にも「政令で定めるものを除く」という括弧が付いていて、その中身はあとで見ます。

この2つの項には、高速道路という限定がありません。つまり場所を問わず後ろに人を乗せられない期間がある、という読み方になります。

高速道路と自動車専用道路 ── 20歳と3年

第4項は、大型二輪免許を持っている人を相手にした項です。そのうち「二十歳に満たないもの」と、免許を受けていた期間が「通算して三年に達しないもの」──この2つを又はでつなぎ、高速自動車国道及び自動車専用道路では人を乗せて運転してはならない、としています。期間のほうには「効力が停止されていた期間を除く」という括弧が付きます。第5項は、普通二輪免許について同じ形で書かれています。こちらも書き出しの「者」に括弧が付いていて、中身は「同項の大型自動二輪車免許を現に受けている者を除く」。大型二輪免許を現に持っている人は、第4項の側で見ます。

ここは接続語を読み違えやすいところです。

  • 禁止の側は「又は」でつながっています。20歳に満たない、期間が3年に達しない ── どちらか一方に当たれば、この項の禁止に入ります。
  • だから乗せられる側から言うと、両方を満たしている必要がある、という関係になります。
  • 場所のほうは「高速自動車国道及び自動車専用道路」。どちらも対象です。

このあと見るとおり、政令の例外は期間のほうにしか効きません。20歳に満たない人は、高速自動車国道・自動車専用道路では後ろに人を乗せられません。過去にどれだけ長く二輪免許を持っていても、ここは変わりません。

なお第4項・第5項が場所を限っているからといって、一般道が自由になるわけではありません。1年のほう(第6項・第7項)は場所を限っていないので、高速道路でも一般道でもかかります。

「通算して」と「効力が停止されていた期間を除く」

期間の数え方について、条文は2つのことを書いています。ひとつは「通算して」。もうひとつは括弧書きの「当該免許の効力が停止されていた期間を除く」です。免許停止になっていた期間は、この数え方には入りません。

この括弧が除くと書いているのは、効力が停止されていた期間です。それ以外に何を除くのか、この括弧からは読み取れません。免許が失効していた期間をどう数えるのかも、この文面には出てきません。心当たりがあるなら、運転免許を扱っている窓口で確かめてください。

期限のある書類をまとめて見直すなら、自賠責の証書も同じタイミングが楽です(自賠責保険が切れるとどうなるかにまとめています)。

括弧書きの例外 ── 施行令第26条の3の3

第4項から第7項までのそれぞれに、「その他の者で政令で定めるものを除く」という括弧書きが付いています。その政令が施行令第26条の3の3です。挙げられているのは、たとえば次のような人です。

  • 大型二輪免許を取ったばかりでも、現に普通二輪免許を受けており、かつその普通二輪免許を受けていた期間が通算して3年以上である人(第1項第1号)。ここでも、停止されていた期間は除いて数えます。
  • いま受けている免許を受けた日の前6月以内に大型二輪免許又は普通二輪免許を受けていたことがある人で、その過去の免許期間が通算して3年以上、又は過去の期間といまの期間を通算した期間が3年以上であるもの(第1項第2号・第2項第1号)。
  • 同じ組み立てで、外国等の免許を受けていた期間のうちその外国等に滞在していた期間を通算する号も置かれています(第1項第3号・第2項第2号)。

そして第3項・第4項で、第6項・第7項(1年の話)についてはこれらの規定を準用したうえで、「三年」を「一年」と読み替える、とされています。同じ仕組みを年数だけ差し替えて使い回している形です。

なお第1項の第4号は「次項各号に掲げる者」となっていて、第2項の号をそのまま取り込む形になっています。

この例外は、年齢には効かない

いちばん誤解されやすいのがここです。「19歳だけれど普通二輪免許はもう3年以上ある」── この人は高速道路で後ろに人を乗せられるのか。乗せられません。政令の例外は、年齢の条件を外す装置ではないからです。

条文の書き方から、そう読める理由が4つあります。

  • 第6項・第7項が決め手です。この2つは、第4項・第5項から年齢の枝だけを抜いた同じ組み立てで、同じ政令の括弧が同じ位置に立っています。そこには年齢の話がそもそも無いので、括弧が受けているのは期間のほうだ、と分かります。
  • 起草者は、主語全体に掛ける括弧を別の書き方でやっています。第5項・第7項の冒頭では、「普通自動二輪車免許を受けた者」という主語の直後に括弧が開き、「同項の大型自動二輪車免許を現に受けている者を除く」と書いて閉じ、そのあとに「で、」が続きます。「者」に直接付ける書き方です。政令の括弧は、そこには置かれていません。
  • 施行令第26条の3の3には、年齢に触れる号がひとつもありません。並んでいるのは、すべて期間の通算の話です。
  • 第4項の括弧が例として挙げている人は、政令第1項第1号とそのまま同じ書き方です。つまりこの括弧は「三年」の代わりになる条件を置くための場所で、第3項はその同じ一覧を、年齢の無い第6項に準用して「三年」を「一年」と読み替えています。

まとめると、政令の各号に当たれば期間の条件は満たしたものとして扱われますが、20歳という条件はそのまま残ります。

側車付き(サイドカー)は、4つの項の対象から外れている

第4項の中で、大型自動二輪車と普通自動二輪車のそれぞれに「側車付きのものを除く。以下この条において同じ。」という括弧が付いています。「以下この条において同じ」とあるので、この読み方は第5項・第6項・第7項にも及びます。

括弧書きは、末尾の「以下この条において同じ」まで読んで初めて効き方が分かります。ここを飛ばすと、第6項だけを読んで「サイドカーも1年は駄目」と受け取ってしまいます。

ひとつ気をつけたいのは、この括弧が置かれている場所です。第4項に出てくるので、それより前にある第1項(ヘルメット)まで同じように読めるとは限りません。二人乗りの4つの項の話として受け取ってください。

標識で二人乗りが禁止されている区間がある

免許の条件を満たしていても、道路の側で止められている場所があります。道路標識、区画線及び道路標示に関する命令には、大型二輪・普通二輪の二人乗りでの通行を禁じる規制標識が定められています。標識の番号は310の2です。

命令の表では、この標識は道路交通法第8条第1項の道路標識により、大型自動二輪車と普通自動二輪車の通行について「運転者以外の者を乗車させて行うことを禁止する」ものだ、と書かれています。この標識は、都道府県公安委員会が設置するものとされています。

ここの括弧は、両側を読んでください。大型自動二輪車・普通自動二輪車のそれぞれについて、道路交通法施行規則の規定により二輪の自動車とみなされ、その区分に入る三輪の自動車を含み、側車付きのものを除く、と書かれています。三輪の車両に乗っている人は、除かれる側ではなく含まれる側に名前が出てきます。

免許の条件を数えるのは家でできますが、標識は現地でしか確かめられません。入口の手前で一度見ておいてください(雨の日に走るなら雨の日の走り方もあわせてどうぞ)。

違反したときに何が付くか

第71条の4の条文の末尾には、罰則の案内が付いています。第4項から第7項までについては第119条の3第1項第5号。同項は「十万円以下の罰金に処する」と書いています。

点数と反則金は、施行令の別表に分かれて載っています。

  • 点数は別表第二。頭に「一般違反行為に付する基礎点数」と書かれた表です。この表の備考58が、「大型自動二輪車等乗車方法違反」という呼び名を置き、それが指すのは第71条の4のうち第4項から第7項までだ、と定義しています。同じ表の中で、この呼び名は2点の組に並べられています。
  • 反則金は別表第六。こちらが「反則行為の種別」と「反則金の額」を並べた表です。同じ呼び名が「速度超過(二十以上二十五未満)」と同じ行にあり、二輪車は1万2千円です。

点数と反則金は、ここでは「条文から辿れる数字」として挙げています。実際にどう処理されるかは、その場の状況によります。

人数の制限は、別の条にある

第4項から第7項までは、運転者の免許と年齢について条件を置き、車両の側では側車付きのものを括弧で外しています。何人まで乗せてよいかは、この4つの項には出てきません。同じ道路交通法の第57条第1項のほうにあります。車両の運転者は、その車両について政令で定める乗車人員の制限を超えて乗車をさせて運転してはならない、という条文です(同じ項には、積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法も並んでいます)。

その「政令で定める乗車人員」の中身は、施行令の第22条第1号にあります。ここで二輪は、四輪とは別の物差しに振り分けられています。

  • 号の前半は、自動車検査証などの書類に書かれた乗車定員を見る、という読み方です。ところがその「自動車」の括弧の中で、側車付きのものを除く大型自動二輪車・普通自動二輪車が名指しで除かれています。同じ括弧にはミニカーや小型特殊自動車なども並んでいますが、ここでは二輪に関係するところだけを拾います。
  • 号の後半は、そのミニカーや小型特殊自動車などと並べて、大型自動二輪車・普通自動二輪車について一人と書いています。そのあとに括弧が続き、大型自動二輪車・普通自動二輪車が「運転者以外の者の用に供する乗車装置」を備えるものにあつては二人、となっています。

つまり二輪で見るのは、車検証に書かれた数字ではありません。運転者以外の人のための乗車装置が付いているかどうかです。付いていれば2人、付いていなければ1人。書類が手元に無くても、車体を見れば判断できる物差しになっています。

これは実際に効いてきます。タンデムシートやステップを外した車両は、車検証の乗車定員が2名のままでも、乗車装置が無ければこの号では1人です。免許の年数も年齢も足りている人が、後ろに乗せた瞬間に第57条第1項の話になります。

なお側車付きのものは、この括弧によって二輪の側から外れています。そちらは書類のほうで見る組で、号が挙げているのは自動車検査証に記録された乗車定員、保安基準適合標章に記載された乗車定員、軽自動車届出済証に記載された乗車定員です。

「免許と年齢の条件は満たしている」と「その車に2人乗せてよい」は別の話で、どちらも要ります。

同乗者のヘルメットについては、同じ第71条の4の第1項が「乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて」運転してはならない、と書いています。こちらは期間も場所も関係なく、最初からかかっています。

後ろに乗せる前に、確かめておきたいこと

  • いまの二輪免許を受けた日がいつかを確かめる。免許証の記載で分からなければ、運転免許を扱っている窓口で確かめる。
  • そこから期間を数える。停止されていた期間があったなら、それは除いて数える。
  • 通算して1年に達していないなら、一般道でも乗せない。
  • 高速道路・自動車専用道路に入るなら、20歳と通算3年の両方を確かめる。
  • 現に別の二輪免許も受けている、あるいは今の免許を受けた日の前6月以内に二輪免許を持っていた ── そういう人は、施行令第26条の3の3の各号に当たらないかを読む。当たれば期間の条件のほうは満たしたものとして扱われます。20歳の条件は、当たっても残ります。
  • 車体を見て、運転者以外の人のための乗車装置が付いているかを確かめる。付いていれば2人、付いていなければ1人(道路交通法第57条第1項・施行令第22条第1号)。シートやステップを外しているなら、車検証の数字ではなくこちらで判断する。
  • 側車付き(サイドカー)に乗っているなら、こちらは書類に書かれた乗車定員のほうで見る。
  • 入口の標識に「二人乗り通行禁止」が出ていないかを見る。
  • 同乗者のヘルメットは、期間に関係なく最初から要る。任意保険の対象がどうなっているかも、このタイミングで見ておくと安心です(任意保険の選び方)。

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