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バイク洗車の手順と道具|取扱説明書どおりに洗う順番と、撥水シャンプーを使う前の確認点

バイク洗車の手順と道具|取扱説明書どおりに洗う順番と、撥水シャンプーを使う前の確認点

バイクを洗うとき、何を用意して、どの順で洗えばいいのか。そして、洗ってはいけない場所はどこか。この記事は、その答えをメーカーの取扱説明書から拾って、手順と道具の形に並べ直したものだ。

読んだのは、ホンダ GROM、ヤマハ YZF-R25(2025年モデル)、スズキの原付一種の取扱説明書。どれもメーカーの公式サイトで公開されているPDFだ。後半では、撥水シャンプーのHISPE「洗車の達人」を使う場合に、取扱説明書と照らして確かめておきたい点も並べる。運営者が実際に洗って比べた記録ではなく、原文を読んで整理したものだと先に断っておく。

なお、車種によって取扱説明書の書き方は違う。自分のバイクの取扱説明書に別の指示があれば、そちらが優先だ。

目次

洗う前に:熱い部分が冷えるのを待つ

最初の手順は「待つ」ことだ。ホンダ GROMの取扱説明書は、エンジンやマフラー、ブレーキといった高温になる部分について、冷えるまでは洗車しないよう書いている。ヤマハ YZF-R25の取扱説明書も、洗車はエンジンが冷えているときにするよう求めている。

走って帰ってきてすぐ水をかけたくなるが、ここは順番が逆。ブレーキまで名指ししているのはホンダのほうだ。

用意する道具:取扱説明書に出てくるもの

専用の道具をそろえる前に、取扱説明書が名前を挙げている道具を並べてみる。並べると次のようになる。

道具 ホンダ GROM ヤマハ YZF-R25 スズキ(原付一種)
洗剤 薄めた中性洗剤(汚れがひどいとき) 中性洗剤 中性洗剤(ひどい汚れに)
洗うもの スポンジか柔らかいタオル 柔らかくて清潔な布やスポンジ(樹脂部品) スポンジか、やわらかい布
拭き取り やわらかい布 柔らかい布 乾いたやわらかい布
マフラー 水を入れない ビニール袋をかけるなどして水を入れない 水が入らないよう注意
洗ったあと チェーンと可動部分に注油/ワックス 必要に応じてグリースなどを注油/ワックス(マット塗装の部分は除く) (洗車の手順の中には書かれていない)

まとめると、中性洗剤・スポンジか柔らかい布・拭き取り用の柔らかい布・マフラー用のビニール袋。あとは洗ったあとの注油に使うチェーンオイルなどだ。スズキの取扱説明書は、冷水をかけながら汚れを落とす、とも書いている。

道具を選ぶときに引っかかるのが、硬いものを当てないことだ。GROMの取扱説明書はアルミ部品について、硬いブラシやスチールウールを使わないよう注意している。YZF-R25の取扱説明書も、キャストホイールには工業用洗剤・みがき粉・クレンザー・金属タワシを使わないよう書いている(傷がつくため)。

洗う順番:ホンダが書いている流れ

順番をいちばん細かく書いていたのは、GROMの取扱説明書だった。番号つきで並べると、次のとおり。

  1. 車体全体を水で洗い、汚れを取り除く。
  2. 汚れがひどいときは、中性洗剤を薄めて使い、スポンジか柔らかいタオルで洗う。傷を防ぐため、水は多めに使う。
  3. 洗剤を十分な水で流し、やわらかい布で拭きあげる。
  4. 車体が乾いてから、ドライブチェーンと可動部分に注油する。
  5. 腐食を防ぐため、ワックスをかける。

YZF-R25の取扱説明書の書き方も、向きは同じだ。中性洗剤で洗ったあとに充分に水洗いし、付いた水分を柔らかい布でよくふきとる。必要に応じてグリースなどを注油し、塗装面を守るためにワックスをかける。ただしワックスには「マット塗装部分を除く」と括弧書きが付いている。

ツヤ消し塗装の車両は、ここで扱いが分かれる。YZF-R25の取扱説明書は、マット塗装の部分にはブラシもワックスもコンパウンドも使わないよう書いている。GROMの取扱説明書も、つや消し塗装の面にはワックスやケミカル類を使わないよう書いている。

水や薬剤をかけない場所

ここが洗車でいちばん気をつけたいところだ。3冊の取扱説明書が名前を挙げている場所を、部位ごとに並べる。

ブレーキとタイヤ

YZF-R25の取扱説明書は警告の欄で、ワックスやグリースといった油脂類を、ブレーキのディスクやパッドにつけないよう書いている。理由は、ブレーキがきかなくなり、事故の原因になることがあるからだ。

GROMの取扱説明書は範囲をもう少し広く書いていて、オイルなどの油脂類に加えて、ワックスやケミカル類も、ブレーキやタイヤに付かないよう注意するよう求めている。こちらも、ブレーキが効かなくなり事故の原因になる場合がある、という理由が添えられている。

撥水剤やつや出しを吹き付けるときは、流れていく先にブレーキとタイヤがないかを見る、ということになる。

マフラーと吸気口

マフラーについては3冊とも書いている。YZF-R25の取扱説明書は、マフラーの中に水がたまると始動不良やサビの原因になることがあるとして、洗車のときはビニール袋をかけるなどして水を入れないよう書いている。GROMの取扱説明書は、エアインテークやエアクリーナーの周りに水を強くかけないよう求めている(エアクリーナーの中に水が入ると始動不良などの原因になるため)。

電装品・シートの下

スズキの取扱説明書は、水を噴射したり流したりしない場所として、メインスイッチ、スパークプラグ、フューエルタンクキャップ、フューエルインジェクションシステム、スロットルケーブルのブーツを挙げている。洗車のときにヒューズのまわりへ水を強く吹きつけることも避けるよう書いている。

シートの下は、GROMの取扱説明書が「シートの下方から水を強くかけない」と書いている。中に水が入り、書類などが濡れることがあるためだ。YZF-R25の取扱説明書にも、書類入れ付近について同じ向きの注意がある。

高圧洗車機

ここは書き方の強さがメーカーで違う。

  • ヤマハ YZF-R25:高圧洗車機やスチーム洗浄機は「使用しないでください」。水が入り、故障の原因となることがあるため。
  • ホンダ GROM:高圧洗車機の使用は「さける」。車体に高い水圧がかかる洗い方をすると、作動不良や故障の原因になることがある(可動部や電装部品など)ため。
  • スズキ(原付一種):高圧洗車機やスチーム洗車機は「使用しないでください」。理由は、作動不良や故障の原因になることがある(可動部や電装部品)ため。

言い回しは違っても、3冊とも使わない側に寄せている。コイン洗車場の高圧ノズルを使う前に、自分の車両の取扱説明書のこの項を確かめておきたい。

チェーンは、車体とは別の道具で洗う

チェーンは、車体を洗うのと同じ洗剤とスポンジで済ませる場所ではない。取扱説明書は、チェーン用の道具と、使ってはいけないものを別に書いている。

  • 使うもの:スズキの取扱説明書は、チェーン専用クリーナで洗浄し、柔らかいブラシを使うよう書いている。YZF-R25の取扱説明書も、泥や汚れを柔らかいブラシなどで落としてから、チェーンクリーナーで洗浄する流れだ。GROMの取扱説明書は、中性洗剤またはチェーンクリーナーを使って、乾いた布などで汚れを落とす、としている。
  • 使わないもの:YZF-R25の取扱説明書は、シールチェーンについて、スチーム洗浄をしないこと、シンナーやガソリンなどの揮発性溶剤やワイヤーブラシで洗浄しないことを挙げている。スズキの取扱説明書も、揮発性溶剤(シンナー・灯油・ガソリン等)、スチーム洗車機、ワイヤーブラシを使わないよう書いている。
  • 洗ったあと:GROMの取扱説明書は、十分に乾燥させてから推奨オイルをチェーンローラーの両側に給油し、オイルがブレーキやタイヤに付かないようにする、と書いている。

チェーンのたるみの見方と注油の手順はバイクのチェーンのたるみは何mmが正解?車種で違う規定値の調べ方と注油の手順にまとめてある。クリーナーとオイルは、シールチェーン用かどうかを確かめてから選びたい。

洗ったあと:乾かして、ブレーキを確かめてから走る

YZF-R25の取扱説明書は、洗車のあとはブレーキのききが悪くなることがあると警告している。ききが悪いときは低速で走る。そのあいだ前後の車に充分注意し、ブレーキを数回軽くかけて湿りを乾かし、ききが戻るのを待つ、という指示だ。

GROMの取扱説明書は「ブレーキを濡れたままにしない」という見出しで、洗車後は十分に乾かして、慎重なブレーキ操作を心がけるよう書いている。

洗車のあとにライトが曇ることについては、YZF-R25の取扱説明書に、ヘッドライトを短時間点灯すれば自然に取れる、とある。雨の日の路面での止まり方はバイクの雨の日の走り方|濡れた路面で伸びる制動距離と、滑りやすい場所の避け方で扱っている。

撥水シャンプー「洗車の達人」を使う前に確かめたいこと

ここからは道具の選択肢のひとつとして、HISPE(ハイスペ)の「洗車の達人」を取り上げる。取扱説明書が挙げる中性洗剤とは別の道具なので、何ができるかと取扱説明書と照らして確かめたいことを分けて書く。

メーカーが書いていること

HISPEの公式サイトの製品ページによると、「洗車の達人」は撥水コーティングのカーシャンプーで、洗浄と塗装面の保護被膜の形成を一度の洗車で行う、とされている。用途には自動車の塗装面や窓ガラスと並んで、バイクの塗装面が挙がっている。成分の欄には、ケイ素化合物・界面活性剤などと書かれている。

使い方として同ページが示しているのは、次の流れだ。

  1. ボディやガラス面の砂や泥汚れを水で洗い流す。
  2. 水が残った状態で、水3Lに対して本品をキャップ1〜2杯の割合で薄め、スポンジで優しく洗う。
  3. 流水で充分に洗い流し、撥水を始めたら完了。
  4. 柔らかく清潔な布などで、水滴が残らないように拭き上げる(マイクロファイバータオルは別に用意が要る)。

使用上の注意として、同ページは、直射日光や炎天下でボディが熱いときはムラの原因になるので日陰で水をかけて冷やしてから使うこと、風の強いときや砂ぼこりの多い所ではキズの原因になるので使用を控えること、保護手袋を使うことを挙げている。

価格は、HISPEの公式ストアで150mlが5,830円と表示されていた(2026年9月25日に確認)。税込か税抜かの表記は、確かめたページの中には見つけられなかった。セールの告知も出ていたので、買う前にストアで最新の価格を見てほしい。

取扱説明書と照らして確かめたいこと

ここからは筆者の読み方だ。上の取扱説明書と並べると、次の点は使う前に確かめておきたい。

  • かける場所は塗装面:製品ページの用途の欄で、バイクについて挙がっているのは塗装面だ。取扱説明書はブレーキやタイヤにワックスやケミカル類を付けないよう書いているので、ディスクやタイヤ、チェーンにはかからないようにする。
  • ツヤ消し塗装の車両:GROMの取扱説明書は、つや消し塗装の面にワックスやケミカル類を使わないよう書いている。撥水の被膜を作る製品なので、マット塗装の車両には使わない側で考えるのが取扱説明書に沿った読み方になる。
  • 中性洗剤かどうか:車体を洗う洗剤として、3冊の洗車の項が挙げているのは中性洗剤だ。今回確かめたHISPEのページには、液性(中性かどうか)の表示は見当たらなかった。気になる人は、購入前にメーカーに問い合わせるのが確実だ。
  • 目立たない所で試す:GROMの取扱説明書は、ワックスやケミカル類を使うときは、ボディの目立たない所で曇りや傷、色むらが出ないか確かめるよう書いている。初めて使うときは、この手順を先に入れたい。
  • 日陰で、車体が冷えてから:HISPEの注意(熱いボディはムラの原因)と、取扱説明書の「冷えてから洗う」は同じ向きなので、両方を一度に満たせる。

薄める量は、上の製品ページの目安とあわせて、手元の製品ラベルの表示も確かめてほしい。

洗浄と撥水を一度で済ませたい人には選択肢になるが、洗うだけなら取扱説明書どおりの中性洗剤で足りる。どちらを選ぶかは、洗車のあとにワックスまでかけているかどうかで考えるのが分かりやすいと思う。

HISPE「洗車の達人」の詳細を見る(販売ページへ)

まとめ

  • 洗うのは、エンジンやマフラー、ブレーキが冷えてから。
  • 取扱説明書が挙げる道具は、中性洗剤・スポンジか柔らかい布・拭き取り用の柔らかい布・マフラーにかけるビニール袋。アルミ部品やキャストホイールに、硬いブラシ・スチールウール・金属タワシを使わない。
  • ブレーキやタイヤには、油脂類もワックスもケミカル類も付けない。
  • マフラーの中、吸気口、電装品、シートの下には水を強くかけない。高圧洗車機は3冊とも使わない側。
  • チェーンはチェーンクリーナー(ホンダは中性洗剤も挙げている)と柔らかいブラシで。揮発性溶剤・スチーム・ワイヤーブラシは使わない。乾かしてから給油する。
  • 洗ったあとはブレーキのききが落ちることがある。低速で軽くかけて確かめてから走る。
  • 撥水シャンプーを使うなら、塗装面に限り、マット塗装は避け、目立たない所で試してから。

日常点検の項目と頻度はバイクメンテナンス、初心者はどのくらいの頻度でやるべき?日常点検・距離・年数の3つで整理にまとめてある。洗車のついでに見ておくと手間が一度で済む。

参考にした情報源

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