後ろの車から見て、ブレーキを握ったのにランプが光らない。乗っている本人からはいちばん見えない場所の故障だ。ブレーキランプは前ブレーキと後ろブレーキ、それぞれで点くかを別々に確かめる。点かないときは、まずヒューズ。その先は、電球の車か、LEDの車かで分かれる。
この記事は、ヤマハのSR400とYZF-R25の取扱説明書、ホンダのグロムの取扱説明書、それに道路運送車両の保安基準と道路交通法の条文を根拠にしている。出典は末尾に全部リンクしてある。
先に結論:点かないときに見る順番

| 順番 | 見ること | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 前ブレーキだけ、後ろブレーキだけ、それぞれでランプが点くか | ヤマハ2機種の取扱説明書 |
| 2 | ブレーキがきき始める直前に点くか(点くタイミング) | 同上 |
| 3 | どちらでも点かないなら、ヒューズを点検する | 同上(灯火装置の点検) |
| 4 | ヒューズに異常がなければ、SR400は販売店へ、YZF-R25は電球の交換と書いてある | 同上(機種で書き方が違う) |
| 5 | LEDが一体になっている車は、1個でも点かなければ販売店へ | ホンダ グロムの取扱説明書 |
ここから、それぞれの根拠を順に見ていく。ヤマハの2冊は、SR400の取扱説明書(PDF)とYZF-R25の取扱説明書(PDF)。ホンダはグロム(2023年)の取扱説明書(PDF)だ。
ブレーキランプのスイッチは、前と後ろで別々

ヤマハのSR400とYZF-R25の取扱説明書には、どちらにも「ブレーキランプスイッチ」の項がある。中身はほぼ同じで、点検することとして次の2つが書かれている。
- ブレーキがきき始める直前に、ブレーキランプが点灯するか
- フロントブレーキ(右手のレバー)をかけたときも、ブレーキランプが点灯するか
項の中では、後ろ(リヤ)のブレーキランプスイッチの話と、フロントブレーキをかけたときの話が分けて書かれている。だから俺は、後ろブレーキで点くかと、前ブレーキで点くかを、必ず別々に見ている。片方で点いたから大丈夫、とはしない。
後ろのスイッチの調整で、やってはいけないこと
同じ項によると、後ろのスイッチ(リヤブレーキランプスイッチ)は、スイッチを指で押さえたまま、アジャスターを回して調整する。そのときスイッチの本体のほうは回さない。本体を回すとリード線を傷付ける、という注意書きが付いている。
そして、異常があるときはヤマハ販売店で点検・整備を受けるように、と項の最後にある。調整のしかたが書いてあっても、点灯がおかしいまま自分で何とかしろ、という書き方ではない。
ブレーキをいじったあとも、ランプを見る
SR400の取扱説明書は、ブレーキレバーとブレーキペダルの遊びを調整する項の警告で、ブレーキを調整したあとは必ず、ブレーキランプの点灯とタイミング、それにブレーキの引きずりが無いかを確認するよう書いている。
どちらでも点かないとき:まずヒューズ

ヤマハの2冊には「灯火装置および方向指示灯の点検」という項があり、手順はこうだ。
- メインスイッチをONにする
- テールランプやブレーキランプなどの灯火装置と、方向指示灯が、きちんと点灯・点滅するかを見る
- エンジンをかけて、ヘッドライトが点くかを見る
- レンズなどに汚れや傷みがないかを見る
点灯しないときは、まずヒューズを点検する。ここまでは2冊とも同じだ。ヒューズの見方と交換の手順は、バイクのヒューズが切れる原因と交換の手順にまとめてある。
ヒューズに異常が無かったら:機種で書き方が違う
その先が、2冊で違う。
- SR400:ヒューズに異常が無いときは、ヤマハ販売店で点検・整備を受ける
- YZF-R25:ヒューズに異常が無いときは、電球を交換する
同じメーカーでも、手元の車の説明書がどう書いているかで、次の一手が変わる。まずは自分の車の取扱説明書のこの項を開いてほしい。
電球を替えるときの注意は、2冊とも同じだ。電球は指定のワット数と規格のもの(説明書の「製品仕様」に載っている)を使う。指定以外のものを使うと、球切れや作動不良の原因になる、とある。
自分のバイクは電球か、LEDか

電球を替えれば済むのか、そもそも替える電球が無いのか。それは取扱説明書の製品仕様の欄で分かる。
| 車種 | 製品仕様の欄の書き方 |
|---|---|
| ヤマハ SR400 | ブレーキ/テールランプ 21.0 W/5.0 W(ワット数で書かれている) |
| ヤマハ YZF-R25 | テール/ブレーキランプ LED |
ホンダのグロム(2023年)の取扱説明書は、補足情報の「ヘッドライト、ストップ/テールランプ」の項で、LEDを使ったライトは一体式だと書いている。そして、1個でも点灯しなくなったらHonda販売店に相談するように、としている。グロムの説明書の上では、自分でランプを替えるのではなく、販売店に相談する形だ。
ちなみにウインカーの電球をLEDに替えて点滅が速くなった話は、ウインカーの点滅が速いときの記事で扱っている。灯火をLEDにする前に、そちらも見ておいてほしい。
荷物の積み方にも注意がある

グロムの取扱説明書の「積載について」には、ヘッドライト、ウインカー、ストップ/テールランプ、マフラーのまわりに荷物を積むのはさけるように、とある。理由は、熱でレンズが溶けたり、荷物が傷んだりする場合があるから。リヤシートに積んだ荷物がランプに当たっていないかも、出発前に見ておきたい。
ブレーキランプについての決まり
保安基準の第39条
道路運送車両の保安基準の第三十九条第一項によると、制動灯は、自動車の後面の両側に備えなければならない。この「自動車」からは、括弧書きで、最高速度二十キロメートル毎時未満の軽自動車と、小型特殊自動車が除かれている。そして同じ項のただし書きで、二輪自動車などは、制動灯を後面に一個備えればよいとされている。
同じ条の第二項によると、制動灯は、灯光の色や明るさなどについて、告示で定める基準に適合しなければならない。その基準は、後方にいるほかの交通に対して、主制動装置又は補助制動装置の操作をしていることを示せて、かつ、照射する光が他の交通を妨げないもの、として定められる。
ここからは筆者の読み方だ。保安基準でいう二輪自動車なら、少なくとも後面に1個の制動灯が要る、と俺は読んでいる。なお、原付についての条文は、この記事では確かめていない。
道路交通法の第62条
道路交通法第六十二条は、整備不良車両の運転を禁じている。禁じられているのは、運転者がそれを運転すること。そして、車両等の使用者その他、装置の整備に責任を有する者が、それを運転させることだ。
同じ条によると、整備不良車両とは、道路運送車両法の第三章若しくはこれに基づく命令の規定などに、装置が適合しないために、交通の危険を生じさせるおそれ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれのある車両等のことをいう。
ここからは筆者の読み方だ。ブレーキランプが点かないまま走れば、後ろの車は減速に気づくのが遅れる。グロムの取扱説明書も、減速のときに制動灯が点灯して後車への合図になる、と書いている。点かないと分かったら、直すまで乗らない、が俺の考えだ。
ここからは筆者の考え:一人で点灯を確かめる

ブレーキランプは自分の目では見えない。誰かに後ろに立ってもらうのがいちばん確実だが、一人のときは、次のどれかで見ている。ここは説明書に書いてあることではなく、俺のやり方だ。
- 夜や薄暗い時間に、車庫の壁やシャッターに後ろを向けて止め、光が壁に映るかを見る
- スマホで後ろから動画を撮りっぱなしにして、前ブレーキ、後ろブレーキの順に1回ずつかけ、あとで見返す
ヤマハの2冊の灯火装置の点検は、メインスイッチをONにした状態でブレーキランプなどを見る手順になっている。どちらのやり方でも、前と後ろのブレーキを別々にかけることを忘れずに。
ブレーキまわりの点検ついでに、パッドの残りも見ておくなら、ブレーキパッドの残量はどこを見るかの記事もどうぞ。

まとめ
根拠は、SR400とYZF-R25の取扱説明書、グロムの取扱説明書。
- ブレーキランプは、前ブレーキと後ろブレーキで別々に点くかを見る。点くのは、ブレーキがきき始める直前
- 後ろのスイッチを調整するときは、スイッチを指で押さえてアジャスターを回す。スイッチの本体は回さない。異常があれば販売店へ(ヤマハ)
- ブレーキを調整したあとは、必ずランプの点灯とタイミング、引きずりを確認する(SR400)
- どちらでも点かないなら、まずヒューズ。その先は、SR400は販売店、YZF-R25は電球の交換と、説明書の書き方が違う
- 電球は指定のワット数・規格のものを使う。LEDが一体の車(グロム)は、1個でも点かなければ販売店に相談
- 二輪自動車も、後面に制動灯を1個は備える決まり(保安基準第39条)
参考にした情報源
- ヤマハ発動機 SR400 取扱説明書(PDF)(2026年10月10日確認)
- ヤマハ発動機 YZF-R25 取扱説明書(PDF)(2026年10月10日確認)
- 本田技研工業 グロム(2023年)取扱説明書(PDF)(2026年10月10日確認)
- e-Gov法令検索 道路運送車両の保安基準(第三十九条・2026年10月10日確認)
- e-Gov法令検索 道路交通法(第六十二条・2026年10月10日確認)



