バイクを売ろうと思ったら、鍵が1本しか見当たらない。あるいは、1本もない。この状態で査定に出してよいのか、先に鍵を作り直すべきなのか。
この記事では、査定のときに鍵の本数がどう見られるかを、買取サービスKATIX(カチエックス)の解説とHonda Dreamの買取のポイントで確かめる。そのうえで、鍵を作り直す前に知っておきたい「キーナンバー」と「イモビライザー」の扱いを、ホンダとヤマハの取扱説明書で確かめる。
先に結論:鍵が足りないときに見る順番

| 状況 | まず確かめること | 根拠 |
|---|---|---|
| 鍵が1本だけある | 査定の申し込みで本数を正直に伝える。作り直すかは、その前に見積もりを比べてから | KATIXの解説(査定表では鍵の欠品は減点の項目) |
| 鍵が1本もない | 手元の取扱説明書で、キーナンバーの控えとイモビライザーの有無を見る | ホンダ・ヤマハの取扱説明書 |
| イモビライザー付きの車種(例:ヤマハ MT-09) | 赤いメインキーが残っているかを確かめる。メインキーをなくすとサブキーのIDを登録できなくなり、3本とも全てなくすとイモビライザーの部品を全て交換しなければならない | ヤマハ MT-09 の取扱説明書 |
| スペアキーが家のどこかにある | 査定の日までに探して、一緒に渡す | Honda Dreamの買取のポイント |
査定で鍵の本数はどう見られるか

KATIXの解説:鍵の欠品は減点の項目に入っている
KATIXは、査定の評価点数と買取価格の関係を説明する自社の解説記事(出典の欄にリンク)で、業者オークション「BDS」の査定基準を抜粋して紹介している。同記事によると、バイクショップの多くは業者オークションで点数を付けられたバイクを仕入れているので、お店もその評価のしかたを見本にしている、という。
その抜粋の表は10点満点の減点方式で、鍵の項目が2つある。
- 「鍵が一本ない」:4点の行に並んでいる
- 「鍵が無い」:3点の行に並んでいる
表の下の説明でも、7点の状態を基準に、ラジエターの凹みや鍵の欠品などがあると4点になる、と書いている。同じ記事は、4点がバイクにいちばん多い状態で、年式相応のバイクのほとんどは4点だ、とも書いている。
ただし同じ記事は、この査定表はあくまでバイクショップが見本にしている基準の一つで、表どおりに点数を付けていくわけではない、とも断っている。お店が得意とするバイクや査定士の知識で、加点されることもあるという。
同じ記事には、人気車種を例にした点数ごとの買取価格の一覧もある。たとえば250ccのNinja 250では、7点が¥530,300、4点が¥287,700と並んでいる。ただし記事は、あくまで一般的な値段で、お店によってはこれより高くも低くもなるので参考程度に、と断っている。
ここからは筆者の読み方です。上の例の7点と4点は、3点の差だ。同じ表で1点ずつ見ると、Ninja 250は7点から6点では¥530,300から¥497,700と下がり方が小さく、大きく下がるのは5点から4点(¥403,800から¥287,700)だ。一方で、この差は鍵だけで付いたものではなく、査定表も基準の一つにすぎない。鍵が1本足りないことが、そのまま決まった金額の減額になる、とまでは読めない。だからこそ、鍵の状態をはっきりさせたうえで、実際の金額を聞いてみる価値がある。
Honda Dream:スペアキーも忘れずに
ホンダの販売店網Honda Dreamは、「買取のポイント」の中で、工具や取扱説明書を入れておくこと、灯火類やスイッチ類の作動状態とあわせて、スペアキーも忘れないように、と挙げている。
ここからは筆者の読み方です。家のどこかにスペアキーがあるなら、査定の日までに探しておくのが、いちばん手軽だ。取扱説明書と工具も同じページに並んでいるので、まとめて探すとよい。
鍵は何本あるはずか:取扱説明書で確かめる

「1本足りない」と言うためには、もともと何本付いてきたかを知る必要がある。これは車種によって違うので、手元の取扱説明書を見るのが確実だ。ここでは、出典として読んだ2冊の書き方を並べる。
ヤマハ MT-09:赤いメインキー1本と、黒いサブキー2本
ヤマハのMT-09 取扱説明書(PDF)によると、この車には、持ち手の部分が赤いメインキーが1本と、黒いサブキーが2本付いている。メインキーはサブキーのIDを登録するときに要る大切なキーなので、ふだんの操作には使わず、操作にはサブキーを使うように、と書いている。
同じ説明書は、この車にはイモビライザーシステムが付いていて、キーに内蔵した発信機のIDが、車両に前もって登録したものでなければエンジンがかからない、と説明している。
そのうえで、キーの扱いの注意として次の2点を挙げている。
- 赤いメインキーをなくすと、車両側のユニットに黒いサブキーのIDを登録する手段がなくなる
- メイン・サブの3本とも全てなくすと、イモビライザーシステムを構成する部品は全て交換しなければならない
ここからは筆者の読み方です。この車種では、どの色の鍵が残っているかで、あとからできることが変わる。黒いサブキーだけなくしたのか、赤いメインキーをなくしたのかを、まず分けて確かめたい。
ホンダ グロム:キーナンバープレートのシリアルナンバー
ホンダのグロム(2023年)取扱説明書(PDF)によると、メインスイッチのキーに付いているキーナンバープレートにはシリアルナンバーがあり、メインスイッチのキーを注文するときに、このシリアルナンバーが要る。キーを注文するときは、Honda販売店に相談するよう書いている。
同じ説明書は、このシリアルナンバーを他人に知られないよう保管することも求めている。理由は盗難防止だ。
ここからは筆者の読み方です。鍵を探すときは、キーナンバープレートも、買ったときの書類や取扱説明書と一緒にしまっていないか見ておきたい。見つかれば、販売店に相談するときの手がかりになる。ただし、どの書類が要るか、ほかに何が要るかは車種と販売店で変わるので、相談のときに確かめてほしい。
作り直してから売るか、そのまま売るか
ここからは筆者の読み方です。鍵を作り直す費用は、車種やイモビライザーの有無で変わるので、この記事では金額を出さない。上で見たとおり、ヤマハのMT-09のように、全てなくすとイモビライザーの部品の交換まで要る車種もある。
そのため順番としては、次のように考えるのが損をしにくい。
- まず家の中でスペアキーとキーナンバープレートを探す
- 見つからなければ、鍵が足りないことを書いたうえで査定に出し、そのままの金額を聞く
- 並行して、販売店に作り直しの見積もりを聞く
- 「作り直しの費用」と「査定の差」を比べて決める
KATIXの解説が書いているとおり、査定表は基準の一つで、お店によって見方が違う。作り直しの費用を先に払ってしまうと、その分を査定で取り返せるかは分からない。先に金額を聞いてから決めるほうが、判断の材料がそろう。
鍵が1本もなく、エンジンもかけられないときは、動かないバイクとして売る話にもなる。その場合の値段の決まり方と引き渡しの注意は、エンジンがかからないバイクは売れる?で扱っている。
申し込むときは、鍵の本数を最初に伝える

KATIXのよくある質問(出典の欄にリンク)によると、写真は売る人が自分で撮り、その写真で複数の買取業者が査定する。撮った写真と実車に違いがなければ、査定金額のまま取引される、とも答えている。査定は写真と申告の内容をふまえて行う、という答えもある。
ここからは筆者の読み方です。写真と申告が金額のもとになる以上、鍵の本数も、傷や不具合と同じく、最初に書いておくのがよい。
KATIXの写真査定なら、鍵が足りない状態のまま、いくらになるかを先に確かめられる。
申し込みの前に手元にそろえておくものはバイクの査定を申し込む前に手元に用意することに、売るときの書類はバイクを売るときの必要書類に、書類のほうもなくしているときは書類をなくしたバイクは売れる?にまとめてある。KATIXの使い方そのものはKATIXの解説ページで書いている。

まとめ
- KATIXが紹介する業者オークションの査定基準の抜粋では、「鍵が一本ない」は4点の行、「鍵が無い」は3点の行に並ぶ。ただし同じ記事は、査定表は基準の一つで、お店によって加点もあると断っている
- Honda Dreamの買取のポイントは、工具・取扱説明書とあわせて、スペアキーも忘れないよう挙げている
- ヤマハ MT-09は赤いメインキー1本と黒いサブキー2本。メインキーを紛失するとサブキーのIDを登録できなくなり、3本全てを紛失するとイモビライザーシステムの構成部品を全て交換しなければならない
- ホンダ グロムは、キーナンバープレートのシリアルナンバーがキーの注文に要る。注文はHonda販売店に相談する
- 作り直す前に、鍵が足りないまま査定に出して金額を聞き、作り直しの見積もりと比べて決める。申し込みでは鍵の本数を最初に伝える
参考にした情報源
- KATIX よくあるご質問(2026年10月9日確認)
- KATIX バイク査定表でわかる評価点数とバイク買取価格の違い(2026年10月9日確認)
- Honda Dream ネットワーク 買取のポイント(2026年10月9日確認)
- ヤマハ発動機 MT-09 取扱説明書(PDF)(2026年10月9日確認)
- 本田技研工業 グロム 取扱説明書(PDF)(2026年10月9日確認)



