ネットの買取相場シミュレーターに車種を入れたら、思ったより高い(あるいは安い)数字が出た。その数字は、実際に売るときの金額としてどこまで信じてよいのか。
この記事では、バイクパッションのバイク買取相場シミュレーターのページに書いてある説明を読み、その数字が何を表しているのか、何を入れると出てくるのかを確かめる。そのうえで、出た数字を実際の査定で確かめる手順を、写真で査定するKATIXのよくある質問とあわせて整理する。どれだけ当たるかを割合で言うことはこの記事ではできないが、数字の前提を知っておけば、外れたときに理由が分かる。先に要点を書く。
- ページの中に、意味の違う2つの金額がある:自動査定の金額は「査定現場での実際の買取額」、グラフの金額は「買取業者の転売額」(業者間オークションの落札額)だと、ページ自身が書き分けている
- 状態は自分で選ぶ:8点(新車同様)から1点(事故車・不動車)まで、車両の状態を選んで出す。実車の状態とずれれば、出てくる数字もずれる
- 最後は実車か写真で確かめる:相場は動く。KATIXは、相場は週単位で変わり、一度出した査定額の保持期間は基本的に提示した日を含めて2〜4日だとしている
各ページは2026年10月3日に確かめた。シミュレーターの数字は日々更新されるので、この記事では個別の金額は扱わない。
シミュレーターの数字は、何を表しているか

バイクパッションのバイク買取相場シミュレーターは、個人情報を入れずに、10秒で買取査定額の見積りが出るとしている。数字のもとは、買取相場の指標としている業者間オークションの落札額だ。
同じページの下のほうに、ページの中の2種類の金額の意味が書いてある。
- 自動査定の金額:査定現場での実際の買取額。業者間オークションの取引データをもとに、業者の最低限の儲けと経費を差し引いた買取額を表示している、という説明だ
- グラフ領域の金額:買取業者の転売額。買取業者のいちばん大きな転売先である業者間オークションでの落札金額にあたる
この業者間オークションは、買取業者と販売業者が参加する競りの市場だという。取引される台数は、年間でおよそ20万台と説明している。買取業者が買い取ったバイクの約9割はこの市場で転売されている、とも書いている。
転売額と買取額の差について、ページが書いていること
同じページによると、査定現場での実際の買取額は、業者間での取引額から、運送料や出品手数料といった経費と業者の儲けを差し引いた額になる。差し引く額の目安として同社が適正だとしている幅は、下が0.6万円(単価の低い原付)、上が6万円(100万円を超える高額車両)までだ。同じ段落で、これを取引額に対する割合に直してもいる。高額な車両ほど割合は小さく、概ね2%〜10%。言いかえると、実際の買取額は業者間の取引額の90〜98%にあたり、そう覚えておけば査定額が妥当かを判断する材料になる、という書き方だ。
ここからは筆者の読み方です。この「90〜98%」は、バイクパッション自身が適正だと考える割り引きの幅を示したもので、どの買取店でもこの幅に入る、という意味ではない。グラフを見て「落札額がこれだけなら、買取額はこのくらいのはず」と考えるときの、1社の物差しとして読むのがよい。もう1つ、グラフの金額は転売額なので、そのまま「売れる値段」と受け取らないこと。ページの中で、同じ車種でも見る場所によって意味の違う金額が並んでいる。
何を入れると、数字が出るか

バイクパッションのシミュレーターのページで選ぶ項目は、メーカー、排気量、車種、車両の状態、年式、走行距離、カラー、集計期間だ。
| 項目 | 選び方 |
|---|---|
| 車両の状態 | 8点:新車同様、7点:超極上車、6点:極上車、5点:良好、4点:使用感または軽い難あり、3点:難あり、2点:劣悪、1点:事故車・不動車 |
| 年式 | 全年式(=全車台番号)か、年式を指定する |
| 走行距離 | いちばん短い0〜4,999kmから、50,000km以上までの区切りで選ぶ。改造車などの距離不明も選べる |
| 集計期間 | 1か月から132か月まで |
ページの評価点の注記には、3〜4点の評価なのに値段が跳ねているケースの多くは、純正品の無いカスタム車だ、という説明もある。
ここからは筆者の読み方です。選ぶ項目のうち、自分の判断が入るのは「車両の状態」だ。自分のバイクを5点(良好)と見るか4点(使用感あり)と見るかは、自分で決めるしかない。迷ったら2つの点数で出して、その幅を「シミュレーターの答え」として持っておくと、あとで査定額を見たときに慌てない。カスタムしている場合は、上の注記のとおり、評価点だけでは値段が読みにくい。
出た数字を、実際の査定で確かめる

相場は動き、査定額にも期限がある
写真で査定するKATIXのよくある質問によると、提示した査定額を保てる期間は、提示日を含めて基本は2〜4日だ。バイクの相場は週単位で変わり、業者の在庫も日々変わるため、長いあいだ金額を保てない、という理由だ。同じページは、買取相場は毎日少しずつ変わっていて、走行距離が増えたり年数がたったりすると価値は下がる、とも書いている。
ここからは筆者の読み方です。シミュレーターの数字は「その時点の目安」で、売る直前に出し直す前提で使うのがよい。シミュレーターの集計期間を短くしたり長くしたりして、数字が動くかを見ると、その車種の相場が落ち着いているかどうかの手がかりになる。
写真と実車が違えば、値段は付かないこともある
KATIXのよくある質問は、写真と実車に違いがなければ査定金額のまま取引され、約95%の人が査定金額で売っている、としている。一方で、引き上げのときに申告に無いものが見つかった場合は、提示金額で買い取れないのでキャンセル扱いになる(そのときのキャンセル料はかからない)、とも書いている。現地でキャンセルになる主な原因として挙げているのは次のようなものだ。
- エンジンやフロントフォークなどのオイル漏れ、クーラント漏れ
- 写真で確認できない外装の割れ・キズ・錆び・凹み、タンクのキズや凹み・タンク内の錆び
- ハンドルストッパーの破損や凹み、フレームのキズ・錆び・凹み
- エンジンの異音や不調
- フレームの車台番号の打刻が不正、または削れや錆で鮮明に見えない
ここからは筆者の読み方です。この一覧は、そのままシミュレーターで「車両の状態」を選ぶときの点検表として使える。当てはまるものがあるのに5点(良好)で出した数字は、実際の査定では出てこない数字だと考えておくほうが安全だ。
契約の前に、キャンセルと支払いの条件を見る
査定額に納得して契約する段になったら、条件を書面で確かめたい。国民生活センターの中古車の売却トラブルについての発表は、契約を結ぶと原則として契約書の内容に縛られるので、結ぶ前に中身をしっかり確かめるよう助言している。とくにキャンセル条項と支払い条件は事前に必ず確かめること、キャンセル料は金額だけでなくどの時点からかかるのかも理解して契約することが大事だ、としている。困ったときの相談先として、消費者ホットライン「188」も案内している。
この発表は中古車(四輪)の売却の例だが、バイクを売るときにも同じ順番で確かめておきたい。たとえばKATIXのよくある質問には、売却が確定したあとに自分の都合でキャンセルすると、キャンセル料1万円を請求される場合がある、と書いてある。
査定を申し込む

シミュレーターで幅をつかんだら、次は実際の値段を出してもらう。形の違う2つを挙げる。
- バイクパッションの出張査定:シミュレーターと同じ会社の、家まで来てもらう査定。シミュレーターのページの案内では、査定は全て無料で、断っても無料。査定自体は5分で、支払いと車両の引き取りを含めても20分ほどだとしている。シミュレーターで出した数字を手元に置いて、実車を見た金額と比べられる。
- KATIXの写真査定:自分で撮った写真で、複数の買取業者が査定する。公式トップページでは、最大21社からオファーが届くとしている。査定額に納得できなければ売らなくてもよい、とよくある質問に書いてある。
ここからは筆者の読み方です。バイクパッションのシミュレーターは、同じ会社が「実際の買取額」として出している数字だ。同じ会社の出張査定と比べれば、その数字が実車でどう変わるかが分かる。別の会社の写真査定も並べれば、1社の物差しに寄りすぎずに済む。今の値段を知る方法そのものはバイクの「今の値段」の知り方に、査定の形の違いはバイクの査定・買取サービス3社の比べ方に、申し込む前に用意するものはバイクの査定を申し込む前に手元に用意することにまとめている。

まとめ
- バイクパッションのシミュレーターは、業者間オークションの落札額をもとにした数字を出す。ページの中で、自動査定の金額は「実際の買取額」、グラフの金額は「買取業者の転売額」と書き分けている
- 同社は、転売額から儲けと経費を割り引いた額が買取額で、その割合は概ね2%〜10%(取引額の90〜98%が買取額)が目安だとしている。これは同社の見方として読む
- 入れる項目はメーカー・排気量・車種・状態(8点〜1点)・年式・走行距離・カラー・集計期間。状態の選び方で数字が動く
- KATIXは、相場は週単位で変わり、査定額の保持期間は基本的に提示日を含めて2〜4日としている。数字は売る直前に出し直す
- 申告に無い傷や不具合が引き上げのときに見つかると、提示金額では買い取れずキャンセルになる、とKATIXは書いている。シミュレーターで状態を選ぶ前に、その一覧に当てはまるものが無いかを見ておく
参考にした情報源
- バイクパッション バイク買取相場シミュレーター(2026年10月3日確認)
- バイクパッション 最新の買取査定相場(2026年10月3日確認)
- KATIX バイク査定 よくある質問(2026年10月3日確認)
- KATIX 公式トップページ(2026年10月3日確認)
- 国民生活センター「車を売る際は要注意!中古車の売却トラブル」(2024年6月18日公表・2026年10月3日確認)



