カスタムしたバイクを手放すときに迷うのが、「社外パーツを付けたまま査定に出すか、純正に戻してから出すか」だ。戻すなら工賃や手間がかかるし、外した社外パーツをどうするかも決めないといけない。
この記事では、買取店と一括査定の公式ページに、カスタム車や改造パーツについて何が書いてあるかを確かめて並べた。あわせて、国土交通省の資料で「今の状態で公道を走れるか(保安基準に合っているか)」の見方も確認した。結論を先に書くと、次のとおりだ。
- 純正部品が手元にあるか:この記事で見た買取店のうちバイクワンは、ノーマルパーツがなくても買い取れるとしたうえで、すべてそろっていれば買取価格を上げることは可能だ、としている。同社の「バイクを高く売るには」のページは、いちばん高く売れる状態として、カスタムしてあって純正パーツも全部そろっている状態と、フルノーマルの状態の2つを挙げている。筆者は、付けたまま出す場合でも、外した純正部品は捨てずに査定のときに見せられるようにしておくのがよいと考える。
- 今の状態が保安基準に合っているか:国土交通省は、改造や装置の取り付け・取り外しなどで保安基準に適合しなくなるものを、不正改造としている(自動車についての説明。原付の扱いは本文で触れる)。合っていないパーツが付いているなら、「付けたまま売るか」の前に、公道を走れる状態に戻すかどうかの話になる。
- カスタムを見てくれる相手に当たれるか:一括査定は、複数の業者の見積もりを並べて比べる仕組みだ。写真や車両情報でカスタムの内容を伝えられるかが、比べる前提になる。
どの材料も、見積もりの金額が分からないと比べられない。筆者は、戻す作業に手を付ける前に、今の状態のままで一度査定を申し込み、金額の目安を手元に置いておくのがよいと考える。
各社の条件は公式ページで確かめたもので、変わることがある。確かめた日は2026年9月25日(バイクワンの「バイクを高く売るには」のページだけは10月4日)で、ページごとの日付は記事の終わりの「参考にした情報源」に書いた。申し込む前には、公式ページで最新の内容を見てほしい。
付けたまま出すか、戻すかを決める4つの材料

先に、判断に使う材料を表にしておく。右の列は、その材料の根拠をこの記事のどこに書いたかだ。
| 材料 | 確かめること | この記事の根拠 |
|---|---|---|
| 1. 純正部品 | 外した純正部品(ノーマルパーツ)が手元に残っているか。全部か、一部か | バイクワンのよくある質問・「バイクを高く売るには」のページ |
| 2. 保安基準 | 付いている社外パーツで、今の状態が保安基準に合っているか。マフラーなら表示や試験成績表が確かめられるか | 国土交通省の不正改造・マフラーの資料 |
| 3. 査定の相手 | カスタムの内容を、写真や車両情報で見積もりを出す側に伝えられるか | マッスル・CTNの公式ページ |
| 4. 戻す作業 | 純正に戻す作業を誰がやるか。工賃が見積もりの差に見合うか | ヤマハの部品ページ/CTNのよくある質問 |
ここからは筆者の読み方です。2は損得より先に来る材料だ。保安基準に合っていないパーツが付いているなら、戻すかどうかは「高く売れるか」ではなく「公道を走れる状態にするか」の話になる。1・3・4は、査定の金額に関わる材料として、見積もりを取りながら比べることになる。
買取店・一括査定の公式ページは、カスタム車をどう書いているか

2026年9月25日に、バイクワン・マッスル・CTNバイク一括査定の3つの公式ページとよくある質問を読んで、下の表に並べた(バイクワンの「バイクを高く売るには」のページは10月4日に読み、表には入れず、冒頭の結論と後半の節で使っている)。KATIXも表に入れたが、よくある質問のページはこの記事で使った確認の方法では本文を読み取れなかったため、項目は「読み取れず」としている。「記載を確認できず」「読み取れず」は、見たページでその項目を確かめられなかったという意味で、そのサービスがカスタム車を扱わないという意味ではない。
| バイクワン | マッスル | CTNバイク一括査定 | KATIX | |
|---|---|---|---|---|
| 形 | 1社が出張して買い取る | Web上で複数業者の見積もりを比べ、出張査定の依頼は任意 | オンラインで完結、訪問査定なし | 読み取れず |
| カスタム車・改造車 | 改造車も買い取れる。カスタム車・改造車の買取に力を入れていると書いている | 記載を確認できず(公開されている見積もり事例の車両情報に「カスタム」の欄がある) | 記載を確認できず | 読み取れず |
| 純正部品がない場合 | ノーマルパーツがなくても買取は可能。すべてそろっていれば買取価格のアップは可能 | 記載を確認できず | 記載を確認できず | 読み取れず |
| 社外パーツ | 改造パーツもバイクと一緒に買い取れる。カスタムパーツはすべて査定の対象にする | 記載を確認できず | 記載を確認できず | 読み取れず |
| 写真・情報の伝え方 | 出張して現車を見る。極端な改造車は査定に30分〜1時間程度かかる場合がある(通常は10分〜15分程度) | 専用ページで写真と車両情報を登録。写真は任意だが、投稿すると各業者の見積もりが具体的になる | バイクの前後左右の写真。最低1枚あれば申し込める | 読み取れず |
| 比べられる数 | 1社 | 最大8社の査定額を比べ、出張査定は最大6社まで依頼できる | 最大10社 | 読み取れず |
KATIXのカスタム車の扱いは、申し込むときに公式サイトで確かめてほしい。相場の知り方についてはバイクの今の値段の知り方の記事にまとめている。
バイクワン:改造車の買取と、ノーマルパーツの有無
バイクワンのよくある質問は、「バイク車体・パーツ」の欄で改造車について2つの質問に答えている。1つめは、ノーマルパーツがない改造車を売りたいという質問だ。答えは、ノーマルパーツがなくても買取はできる、というもの。そのうえで、全部そろっているほうが買取価格のアップは可能だ、と書き添えている。2つめは、改造パーツもバイクと一緒に買い取れるかという質問で、答えは「もちろん可能です」。同社は全てのカスタムパーツを査定の対象にする、としている。
同じページの「査定時間・査定場所」の欄には、出張査定はおおよそ10分〜15分程度で、極端な改造車や特殊車両では30分〜1時間程度かかる場合もある、とある。また同社のカスタムバイク買取のページは、同社がカスタム車と改造車の買い取りに「非常に力を入れて」いると書き、スポーツ・ネイキッド・ツアラー・旧車・アメリカンの型ごとに車名を並べている。どのページも、記事の終わりの「参考にした情報源」に載せている。
マッスル:写真と車両情報で見積もりを比べる
マッスルの公式ページによると、メールアドレスを送ると専用ページのURLが届き、そこで写真や車両情報を登録すると、各業者が査定額を出す流れだ。比べられるのは最大8社の査定額で、そのあと気に入った業者に出張査定を頼むかどうかは任意(最大6社まで)とされている。
マッスルのよくある質問では、写真の投稿は任意で、投稿すると各業者から届く見積もりが具体的になるのが利点だと答えている。カスタム車についての質問は、見たページには無かった。ただ、同社が公開している見積もり事例のページでは、車両情報の欄に年式・走行距離・外傷などと並んで「カスタム」の項目があり、確かめた事例では「軽い変更点あり」と書かれていた。
CTNバイク一括査定:写真で申し込み、最大10社を比べる
CTNバイク一括査定の公式ページは、出張査定なしのオンライン完結で、最大10社から最高額がわかるとしている。申し込みの画面では、バイクの前後左右の画像を求めつつ、本体が確かめられる写真が最低1枚あれば大丈夫だ、と書いている。強みの欄には、専門分野の買取店で比べられることを挙げている。カスタム車や社外パーツについての記載は、見たページには無かった。
同じページのよくある質問には、売る前に修理や補修が必要かという問いがある。答えは、修理費が追加でかかって車両の査定金額を超えてしまうことがあるため、あまり勧めない、というものだ。
今の状態で公道を走れるか:国土交通省の資料で見る

付けたまま出すかを決める前に、そもそも今付いている社外パーツで保安基準に合っているかを確かめておきたい。
国土交通省の不正改造の具体例のページの冒頭には、保安基準に合っていない自動車で公道を走ることは法律で禁じられている、という説明がある(保安基準は、安全と環境についての基準)。同じページは、改造や装置の取り付け・取り外しなどの行為のうち、その結果として保安基準に適合しなくなるものを「不正改造」と呼んでいる。対象は自動車又はその部分で、これらに類似する行為も含む。例として、灯火の色(尾灯・制動灯は赤色、方向指示器は橙色など)が挙がっている。
ここからは筆者の読み方です。このページの説明は「自動車」についてのものだ。車幅灯の欄に二輪車用の灯火の色が書かれているので、バイクも対象に入っている。一方で、次に見るマフラーの資料は「自動車」と「原動機付自転車」を分けて書いており、このページは原付の扱いには触れていない。原付に乗っている人は、この節の罰則をそのまま当てはめず、販売店などで確かめてほしい。
罰則は、国土交通省の不正改造に対する罰則等のページにまとまっている。不正改造を行った者への刑罰は、30万円以下の罰金又は6ヶ月以下の拘禁刑だ(道路運送車両法第99条の2ほか)。使う側についても、改造によって保安基準に適合しない状態にある車の使用者には、必要な整備を命じることができる(同法第54条の2)。ページによると、この整備命令に従わなければ、50万円以下の罰金や、車両の使用停止命令の対象になる。
マフラーは「車検のないバイクにも」「表示や試験成績表」
国土交通省の交換用マフラーの啓発資料(PDF)には、社外マフラーを付けているときに見ておきたい点が2つ書かれている。
- 騒音低減機構をかんたんに取り外せるマフラーは、装着が禁止されている。対象は平成22年4月以降に製作される自動車と原動機付自転車だ。資料の注記によると、車検がないバイクでも外れない。軽二輪自動車(125~250cc)と原動機付自転車(~125cc)にも、この基準は適用される。
- マフラーの表示や試験成績表等を運行中に確かめられないと、基準不適合になる。こちらの対象は平成28年10月以降に製作される自動車等だ。資料は表示の例として、性能等確認済表示、Eマーク・eマーク、純正マフラーの自動車製作者表示などを挙げている。
ここからは筆者の読み方です。「車検がないから関係ない」は、少なくともこのマフラーの基準には当てはまらない。社外マフラーを付けたまま売るなら、マフラーの表示と試験成績表を、純正マフラーと一緒に手元にそろえておくと、査定する側に状態を説明しやすい。表示が確かめられないマフラーで年式が当てはまるなら、付けたまま売るかを考える前に、公道を走れる状態かを販売店で確かめるのが先だと考える。
純正に戻すかどうか:材料ごとの読み方

ここからは筆者の読み方です。上で見た各社の書き方と国土交通省の資料から、場合を分けて考える。どの場合も、決めるのは見積もりを取ってからでよい。
純正部品がそろっていて、保安基準にも合っている場合
いちばん選べる幅が広い場合だ。バイクワンのよくある質問の答えは「ノーマルパーツがそろっていれば買取価格のアップは可能」「カスタムパーツも査定の対象」なので、付けたまま出して、外した純正部品も一緒に見せる形でも、戻してから出す形でも見積もりは取れる。
どちらの形がよいかについては、バイクワンが「バイクを高く売るには」のページでこう説明している。いちばん高く売るのに向くのは、カスタムしてあって純正のノーマルパーツも全部そろっている状態か、フルノーマルの状態。純正パーツが全部あるカスタム車なら、次に乗る人がカスタムのまま乗るか、純正に戻すかを選べるので、買いたいという人が多い。さらに、カスタムの費用がかかっていて、フルノーマルと比べてお得に感じられる分、買取価格も高くなるようだ、としている。
ここからは筆者の読み方です。同社の書き方は「高くなるようです」で、いくら違うかの金額までは見たページには無かった。また、これは純正部品が全部そろっていることが前提の話だ。査定のときに、付けたままの場合と戻した場合の両方の金額を聞いておくと比べやすい。年式の古いバイクで同じページのほかのポイントをどう読むかは、20年落ちのバイクに値段はつくかの記事で並べている。
純正部品が一部しかない・もう無い場合
バイクワンは、ノーマルパーツがなくても買取はできると答えている。戻すための純正部品を新しく買い直すかどうかは、その部品代と工賃が、見積もりの差を超えないかで考えることになる。CTNのよくある質問が修理について「査定金額を超えてしまうことがある」と書いているのは修理・補修の話だが、筆者は、純正に戻す費用も同じ物差しで比べるのがよいと考える。
保安基準に合っていないパーツが付いている場合
国土交通省のページは、保安基準に合っていない自動車で公道を走ることは禁じられている、と説明している(自動車についての説明で、原付の扱いは上の節のとおりこのページでは触れていない)。自分で乗って店に持ち込むなら、その前に基準に合う状態にしておく必要がある。出張査定を使う場合でも、今付いているパーツが基準に合っていないことは、隠さずに伝えておくほうがよいと考える。基準に合っていない車をどう扱うかは、この記事で見た買取店の公式ページには書かれていなかったので、申し込むときに確かめてほしい。
戻す作業を自分でやるか
ヤマハは純正部品の案内ページで、純正部品の交換と車両の整備はヤマハ販売店に依頼するよう書いている(ヤマハ車についての案内)。ブレーキや灯火に関わる部品を戻すなら、販売店に任せるのが筆者の考えだ。その場合は工賃がかかるので、上の「見積もりの差」と比べる材料に入れておく。
外した社外パーツはどうするか

純正に戻すと、今度は外した社外パーツが手元に残る。バイクワンのよくある質問は、改造パーツもバイクと一緒に買い取れると答えているので、少なくとも同社なら、車体と一緒に査定に出すという選び方ができる。
ここからは筆者の読み方です。社外パーツを別に売るか、車体と一緒に出すかは、見積もりのときに「この金額は社外パーツ込みか」を聞いておくと比べやすい。車体と一緒に出した場合と、戻して純正で出した場合の差が、戻す工賃を足してもなお、社外パーツを別に売って得られそうな金額より小さいなら、別に売る意味がある、という考え方だ。マフラーを別に売る・譲るなら、表示と試験成績表も一緒に渡せるようにしておきたい。次に付ける人が、前の節で見た基準を確かめられるようにするためだ。
カスタムを見てくれる相手に当たるには

ここからは筆者の読み方です。カスタムをどう評価するかが業者ごとに同じだとは、どの公式ページにも書かれていない。だから1社だけで決めずに、何社かの見積もりを並べてから決めたい。この記事で見た中では、マッスルは最大8社、CTNは最大10社の見積もりを比べられる仕組みだ。写真で申し込む形のサービスなら、次の点をそろえておくと、カスタムの内容を伝えやすい。
- 社外パーツが写った写真(前後左右のほか、パーツごとの写真)
- 付けている社外パーツの一覧(メーカー名・品名)
- 外した純正部品の有無(全部・一部・無し)
- マフラーの表示と試験成績表などの書類
この一覧は筆者がまとめたもので、各社が求めているものではない。マッスルは写真の投稿で見積もりが具体的になるとしており、同社の見積もり事例では車両情報に「カスタム」の欄がある。現車を見てもらいたいなら、出張して買い取るバイクワンという選び方もある。一括査定のしくみの違いは、バイクの査定・買取サービス3社の比べ方で詳しく並べている。出張査定のキャンセルや減額が気になる場合は、出張買取は査定後に断れるかの記事も合わせて読んでほしい。

まとめ
- 最初に見るのは、今付いている社外パーツで保安基準に合っているか。国土交通省のページは、保安基準に合っていない自動車は公道を走れないと説明している(自動車についての説明で、原付の扱いには触れていない)。マフラーは車検のない原付・軽二輪にも基準があり、年式によっては表示や試験成績表が確かめられることが要る。
- バイクワンは、ノーマルパーツがなくても買い取れるとし、そろっていれば買取価格のアップは可能、改造パーツも一緒に買い取れる、と書いている。「バイクを高く売るには」のページでは、純正パーツが全部そろったカスタム車かフルノーマルを、いちばん高く売れる状態に挙げている。外した純正部品は捨てずに残しておくのが筆者の考え。
- 戻す作業の工賃や部品代が、見積もりの差を超えないかで比べる。ブレーキや灯火の部品は販売店に任せるのが筆者の考え。
- カスタムの内容は、写真とパーツの一覧で伝える。戻す前に、今の状態のままの査定額を聞いておくと比べやすい。
参考にした情報源
- バイクワン よくある質問(2026年9月25日確認)
- バイクワン カスタムバイク買取(2026年9月25日確認)
- バイクワン バイクを高く売るには(2026年10月4日確認)
- 一括査定買取マッスル 公式ページ(2026年9月25日確認)
- 一括査定買取マッスル よくある質問(2026年9月25日確認)
- 一括査定買取マッスル 買取査定事例(2026年9月25日確認)
- CTNバイク一括査定 公式ページ(2026年9月25日確認)
- 国土交通省 不正改造の具体例
- 国土交通省 不正改造に対する罰則等
- 国土交通省 交換用マフラーは基準適合品を(PDF)
- ヤマハ発動機 純正部品 代表的な消耗部品 スポーツバイク



