「売ろうと思ってバイクの書類を探したら、見つからない」。こういうとき最初に気になるのは、書類がないまま売れるのか、それとも先に再発行しないといけないのか、だと思う。
結論から書くと、書類をなくしても売る道はある。なくした書類は、排気量によって種類も再発行の窓口も違う。原付(125cc以下)なら市区町村、それより大きいバイクなら運輸支局等だ。そのうえで、自分で再発行してから売るか、再発行の手続きを買取店に任せるかを選ぶことになる。
この記事では、排気量ごとに再発行の窓口・持っていくもの・手数料を公式の案内で並べ、そのあとで書類をなくしたバイクの扱いを公式サイトに書いている買取店2社(バイクワン・バイクブーン)の条件を比べる。内容は2026年9月25日に各ページで確かめたもので、変わることがある。手続きの前や申し込みの前には、公式ページで最新の内容を見てほしい。
先に結論:なくした書類と再発行の窓口は排気量で3つに分かれる
どの書類が「車検証」にあたるかは、排気量で変わる。バイクワンのQ&Aは、251cc以上は「自動車検査証」、250ccまでは「軽自動車届出済証」、125ccまでは「標識交付証明書」と説明している。下の表は、それぞれをなくしたときの再発行の窓口と手数料を、この記事の後半で引く公式ページからまとめたものだ。
| 排気量 | なくした書類 | 再発行の窓口 | 手数料 |
|---|---|---|---|
| 125cc以下(原付) | 標識交付証明書 | 登録している市区町村(横浜市なら区役所) | 市区町村の案内で確かめる(姫路市・小平市・玉野市は無料) |
| 125cc超〜250cc以下(軽二輪) | 軽自動車届出済証 | 使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等 | 近畿運輸局の案内では不要 |
| 250cc超(小型二輪) | 自動車検査証(車検証) | 使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等 | 関東運輸局の案内では印紙450円 |
ここからは筆者の読み方です。表の「手数料」は、ページごとに書き方が違うので、そのページの書き方のまま載せた。原付は市区町村ごとの手続きなので、住んでいる市区町村のページを必ず見てほしい。
125cc以下(原付):標識交付証明書は市区町村で再交付
吹田市の案内によると、同市では原付を登録したときにナンバープレートといっしょに、登録内容を書いた標識交付証明書を渡している(平成28年以前の登録なら「原動機付自転車申告済証」という名前)。
持っていくものは市区町村で違う
いくつかの市の公式ページを並べると、共通しているのは本人確認書類で、それ以外は市ごとに違う。
- 横浜市:区役所で、軽自動車税申告(報告)書兼標識交付申請書を使って再交付を申請する。窓口に来た人の本人確認をしてから再交付するので、運転免許証などを持っていく。
- 吹田市:車台番号の石ずりと、運転免許証・マイナンバーカードなどの本人確認書類。石ずりとは、車体に刻まれた車台番号の上に紙をあて、鉛筆などでこすって写し取ったもの。ほかの市区町村で登録している原付なら、その市区町村で再交付を受けるよう案内している。
- 姫路市:窓口のほか、郵送やオンラインでも申請できる。窓口なら申請書と届出者の本人確認書類を出す。
手数料も市区町村のページで確かめる
姫路市は再発行の手数料を無料としていて、郵送やオンラインで申請したときは送ってもらうための郵送料がかかるとしている。小平市のよくある質問も、原付の標識交付証明書は無料で再発行できると答えている。小平市では、本人でも、市内に住む本人と住民票上同じ世帯の親族でもない人が申請するときは、委任状が要る。玉野市のよくある質問も手数料は無料で、所有者の氏名・ナンバープレート・車台番号が分かるものを用意するよう書いている。
ここからは筆者の読み方です。3市とも無料だったが、これは3市の案内であって、全国の決まりとして確かめたわけではない。自分の市区町村のページで「標識交付証明書 再交付」を探すのが確実だ。
125cc超〜250cc以下(軽二輪):軽自動車届出済証は運輸支局等で再交付
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトによると、軽自動車届出済証をなくしたり、傷んだり、見分けにくくなったりしたとき、軽二輪の使用者は再交付を申請できる。申請先は、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等だ。
持っていくもの
同じポータルサイトの必要書類のページに載っているのは、次のものだ。
- 軽自動車届出済証再交付申請書(OCR申請書 軽二輪4号様式)。申請者の欄には使用者の記名が要る。申請の事由の欄も書くが、理由書を付ければ書かなくてよい(理由書には、見つかったら返すことも書く)
- 使用者の委任状(申請書に使用者の記名があれば要らない)
- 軽自動車届出済証(出せる場合)
- 窓口で見せる、使用者または代理人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードもしくは住民基本台帳カード、在留カード、特別永住者証明書など)
申請書は、ポータルサイトでPDFに作ることもでき、運輸支局等で書いて作ることもできる。
手数料と、住所が変わっている場合
近畿運輸局の案内(排気量125ccを超え250cc以下のもの)では、手数料納付書の項目に「手数料不要」と書かれている。同じ案内は、申請書に書いた使用者の氏名・住所が、届け出てある情報と一致しないと再交付できないとしている。
ここからは筆者の読み方です。買ったあとに引っ越していて住所の変更をしていない人は、届出の住所と今の住所が食い違っている。その場合は、窓口に行く前に管轄の運輸支局に何を用意すればよいかを聞いておくと、無駄足になりにくい。
250cc超(小型二輪):車検証は運輸支局等で再交付
国土交通省のポータルサイトの自動車検査証の再交付のページによると、車検証をなくした、盗まれた、傷んだときの再交付は、自動車検査証の使用者が管轄の運輸支局等で手続きをする。管轄は使用の本拠の位置で決まる。
持っていくもの
- 自動車検査証再交付申請書(OCR申請書 第3号様式)。「再交付を受ける理由」の欄を書く。理由書を付ければ書かなくてよい(理由書には、見つかったら返すことも書く)
- 決められた手数料の印紙を貼った手数料納付書(キャッシュレスで払う場合はその旨を書く)
- 使用者の委任状(申請書に使用者の記名があれば要らない)
- 自動車検査証(傷んだ場合や見分けにくくなった場合に限る)
- 窓口で見せる、使用者または代理人の本人確認書類
手数料
関東運輸局の自動車検査証再交付の案内では、手数料納付書に自動車検査登録印紙450円を貼る。印紙は運輸支局や自動車検査登録事務所の近くで売っている。申請書の理由の欄には、なくしたことと、見つけたらすぐに返すことを書く例が載っている。
国土交通省のポータルサイトには、登録・検査手数料一覧表(令和8年4月1日現在)も置かれている。ここからは筆者の読み方です。この一覧表は日付つきなので、窓口に行く前に最新のものを開いて、再交付の手数料を見ておくと安心だ。
廃車ずみのバイクの書類をなくしたとき
すでに廃車(返納)の手続きをしてあるバイクだと、なくしたのは廃車のときにもらった書類のほうになる。
原付について、姫路市は、過去に同市で登録していた原付の廃車申告済書も再発行の対象にしている。ただし文書には保存年限があり、廃車の手続きをいつの年度にしたかによっては発行できないこともある、と断っている。
バイクブーンのよくあるご質問は、廃車ずみの書類をなくした場合、再発行には廃車したときの日時・ナンバープレートの番号・住所・名義人の名前が要り、この4点が分からないと廃車書の再発行はできないとしている。再発行ができなくても買取はできるが、バイクとしてではなく部品の扱いになるので、査定額は通常のバイクより下がる、とも書いている。
廃車の手続きそのものの流れは、バイクの廃車手続きの記事で扱っている。
「再発行してから売る」か「買取店に任せる」か
ここでは、書類をなくしたバイクの扱いを公式サイトで案内している買取店2社を並べる。どちらも出張で査定に来る形の買取店だ。表の中身は、2026年9月25日に各社の公式ページで確かめた。
| バイクワン | バイクブーン | |
|---|---|---|
| 書類をなくしたバイク | 車検証・軽自動車届出済証・標識交付証明書は再交付の手続きができ、同社が全て無料で代行する(Q&A) | 書類をなくした車両でも買取できるが、一部できない車両もある(よくあるご質問) |
| 自分で手続きするもの | 標識交付証明書(原付)をなくした場合は、自分で手続きする | ページに区別の記載なし |
| 費用 | 再交付の代行は無料 | 書類をなくしたバイクは、引き上げ代と書類の再発行代が要る(金額はページに記載なし) |
| お金の受け取り | 原則、引き渡しのときに現金。書類不備などがあると後日振込になることがある | 書類をなくした場合は、書類を再発行した後の振込 |
| 無料出張の範囲 | 全国(北海道は提携先を紹介、沖縄は日程を相談) | 関東(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・群馬・栃木)と福島・長野・山梨・静岡・愛知 |
バイクワン:3種類の書類の再交付を無料で代行
バイクワンのQ&Aは、自動車検査証・軽自動車届出済証・標識交付証明書のどれをなくしても再交付の手続きはできるとし、その手続きを同社が全て無料で代行すると書いている。ただし標識交付証明書をなくした場合は、自分で手続きするよう求めている。売却代金は、原則として当日バイクを引き渡すときに現金で払うとしつつ、名義人の問題・身分証明書・書類不備などがあった場合は後日の銀行振込になることがある、とも書いている。
ナンバープレートもなくしているなら、警察署への届出と、そこで受け取る受理番号が要る。その後の手続きは同社が無料で代行する、とQ&Aにある。自賠責保険証明書は、なくても買取はできるが、保険会社か証券番号が分かれば再発行できるので確かめてほしい、としている。
出張の範囲は買取対応エリアのページに載っていて、北海道は提携先を紹介する形になっている。
バイクブーン:再発行は同社で。一部は有料
バイクブーンの公式サイトのトップページには「書類無しのバイクも対応可能」と書かれている。同社の査定時に必要なもののページでは、書類の紛失・不備は同社で再発行の手続きをし、一部は有料になる場合があるとしている。書類がない車両でも買取できる場合がある、ともある。
よくあるご質問では、書類をなくした車両でも買取はできるが、一部できない車両もあるので相談してほしい、としている。オートバイの書類をなくしたときの問いには、買取はできて、書類を再発行した後の振込になると答えている(トップページのよくある質問にも同じ答えがある)。手数料の問いでは、通常のバイクは手数料が要らないが、値段が付けられないバイクと書類をなくしたバイクは、引き上げ代と書類の再発行代が要ると答えている。
車検証の問いには、再発行は登録したときの陸運局で手続きする必要があり、同社で引き受けることもできると答えている。ナンバープレートをなくした場合は、最寄りの警察署に紛失届を出して受理番号を控えること、再発行は登録したときの場所でないとできず、行けなければ同社で引き受けることもできる、としている。自賠責保険証明書をなくしても買取はできるが、車検が残っている車両で自賠責をなくしているとマイナス評価になるので、再発行した方がお得だ、とも書いている。
どちらにするかの目安
ここからは筆者の読み方です。判断の材料は「どの書類をなくしたか」「窓口に行く時間があるか」「その場で現金で受け取りたいか」の3つだと考える。
- 原付の標識交付証明書:バイクワンは自分で手続きするよう求めている。上の3市のように無料で、郵送やオンラインでも申請できる市区町村なら、先に自分で再交付を受けてから売るのが手堅い。
- 軽二輪の届出済証・250cc超の車検証:近畿運輸局の案内では、登録の窓口は受付時間が午前と午後に分かれていて、土曜・日曜・祝祭日と年末年始は閉まっている。ほかの運輸支局の受付時間は、それぞれの案内で確かめてほしい。行く時間が取れないなら、無料で代行すると書いているバイクワンに任せる手がある。バイクブーンに頼むなら、再発行代がかかることと、書類を再発行した後の振込になることを前提に、査定のときに再発行代の金額を聞いておきたい。
- 住まいの地域:バイクブーンの無料出張の範囲の外なら、まずはバイクワンの条件を見ることになる。範囲の中なら、両方に査定を頼んで比べられる。
どちらに頼むにしても、なくした書類の名前と、手元に残っている書類(自賠責保険証明書など)を、申し込みのときに伝えておくと話が早い。査定のあとで断れるか、引き取りのあとに減額されないかは、出張買取は査定後に断れるかの記事で扱っている。ローンで買ったバイクで、書類の所有者の欄が販売店やローン会社になっている場合は、ローンが残っているバイクを売る手順もあわせて見てほしい。
売る前に、今の値段を知っておく
ここからは筆者の読み方です。書類を自分で再発行するか任せるかは、手間と、再発行代や振込までの時間を比べる話になる。その比べ方は、そのバイクが今いくらで売れそうかで変わる。査定を頼む前に今の値段を知る方法は、バイクの「今の値段」の知り方にまとめた。
その記事で紹介しているKATIX(カチエックス)は、同社の「KATIXの想い」のページによると、売るバイクの写真を撮って送り、買い手との交渉は担当者が行う形のサービスだ。なお、この記事のために読んだKATIXのページには、書類をなくしたバイクの扱いは書かれていなかった。書類がない状態で出品を考えるなら、先に同社に問い合わせてほしい。
まとめ
書類をなくしたバイクも、売る道はある。まず、なくした書類が何かを排気量で確かめる。原付は標識交付証明書で、登録している市区町村へ。125cc超〜250cc以下は軽自動車届出済証で、250cc超は車検証。どちらも使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等へ行く。手数料は、原付は市区町村の案内で、軽二輪は近畿運輸局の案内では不要、車検証は関東運輸局の案内で印紙450円だった。
自分で窓口に行けるなら、再発行してから売れば、書類がそろった状態で査定を受けられる。行く時間がないなら、再交付の手続きを買取店に任せる手もある。バイクワンは3種類の書類の再交付を無料で代行するとしている(原付の標識交付証明書は自分で)。バイクブーンは再発行を引き受けるが再発行代が要り、代金は書類を再発行した後の振込になる。条件は2026年9月25日時点のもので、変わることがある。
参考にした情報源
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト:軽二輪の届出済証を再交付する手続き
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト:同じ手続きの必要書類
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト:車検証の再交付
- 登録・検査手数料一覧表(国土交通省)
- 軽二輪の軽自動車届出済証の再交付申請(近畿運輸局)
- 自動車検査証再交付(関東運輸局)
- 原動機付自転車等の手続きについて(横浜市)
- 標識交付証明書を紛失した場合の手続き(吹田市)
- 標識交付証明書および廃車申告済書の再発行(姫路市)
- 原付バイクの標識交付証明書を紛失した場合(小平市)
- 原動機付自転車の標識交付証明書の再発行(玉野市)
- はじめての方へQ&A(バイクワン)
- 買取対応エリア(バイクワン)
- バイク買取のバイクブーン(公式サイト)
- よくあるご質問(バイクブーン)
- 査定時に必要なものは?(バイクブーン)
- KATIXの想い(KATIX)


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