大型二輪の免許を取った。次は大型バイクに乗りたい。では、いま乗っている250ccや400ccはどうするか。残して2台にするか、売って大型の資金に回すか。この記事は、そこで迷っている人に向けて書いている。
判断の材料になるのは、2台目を残したときに「乗らなくても毎年かかるお金」だ。さいたま市の軽自動車税の案内では、税額は125cc超〜250cc以下の二輪が年3,600円、250cc超が年6,000円。自賠責は、損害保険料率算出機構の新しい基準料率表で、2026年11月1日以降に始まる契約なら250cc以下の12か月が7,800円、250cc超の24か月が9,640円(離島・沖縄県以外の地域)。250cc超には、これに2年ごとの車検が加わる。いちばん差が出るのは任意保険で、これは会社と等級しだいだ。
反対に、売ると決めているなら待つ理由は小さい。KATIXのよくある質問は、走行距離が増えたり年数がたったりすると価値は下がるとしている。この記事では、2台持ちのお金と、売って乗り換えるときの段取りを、公式の資料で2026年9月26日に確かめた範囲で並べる。売ると買うの順番や納車日からの逆算は、乗り換えの順番の記事で詳しく扱っている。
2台目を残すと、乗らなくてもかかるお金(一覧)
今のバイクを残した場合に、1台目の大型とは別にかかるお金を、排気量の区分ごとに並べる。数字の出どころは表の下に書いた。
| 項目 | 250cc以下(軽二輪) | 250cc超(小型二輪。400ccなど) |
|---|---|---|
| 軽自動車税(年額・さいたま市) | 3,600円 | 6,000円 |
| 自賠責(2026年10月31日までに始まる契約) | 12か月 7,100円/24か月 8,920円 | 24か月 8,760円/25か月 8,910円 |
| 自賠責(2026年11月1日以降に始まる契約) | 12か月 7,800円/24か月 9,780円 | 24か月 9,640円/25か月 9,800円 |
| 車検 | なし | あり(新車の最初は3年、その後は2年ごと) |
| 任意保険 | 会社・等級・補償の組み方しだい(下の節で扱う) | |
軽自動車税の額は、さいたま市の税額表から取った。軽自動車税は市区町村の税なので、自分の住む市区町村の案内でも確かめてほしい。
自賠責は、損害保険料率算出機構のいまの基準料率表と、2026年4月に届け出られた新しい表の、離島以外の地域(沖縄県を除く)の欄から拾った。表では250cc以下の二輪は「軽自動車・検査対象外車」、250cc超は「小型二輪自動車」の行にある。同機構の届出の案内は、新しい料率が2026年11月1日以降に保険期間の始まる契約に適用される、としている。
車検の有無は法律で決まっている。道路運送車両法は、国土交通省令で定める軽自動車を検査の対象から外していて、道路運送車両法施行規則がその一つに二輪の軽自動車を挙げている。250cc超の二輪(二輪の小型自動車)は検査の対象で、同じ法律の定めでは、自家用なら自動車検査証の有効期間は2年、初めて交付するときは3年になる。
1年あたりにならすと
ここからは筆者の計算です。400ccを2台目に残し、自賠責を24か月(2026年11月1日以降に始まる契約)で入る場合、1年あたりにならすと 9,640円 ÷ 2 = 4,820円。軽自動車税と合わせて 6,000円 + 4,820円 = 10,820円 が、1年あたりの最低ラインになる。ここに車検の費用(2年に1回)と任意保険が乗る。車検の法定費用の内訳は車検費用の記事で計算している。
250ccを残す場合、自賠責を12か月ずつ入ると 3,600円 + 7,800円 = 11,400円。24か月でまとめて入ると、1年あたり 9,780円 ÷ 2 = 4,890円 で、3,600円 + 4,890円 = 8,490円 になる。料率表の数字どおり、長い期間でまとめて入るほうが1年あたりは安い。車検が無いぶん、250ccのほうが「置いておく」費用は読みやすい。
任意保険は、2台目をどう契約するかで変わる
2台持ちでいちばん金額が動くのは任意保険だ。組み方は大きく2つある。
1つ目は、今の契約を大型に移し(車両入替)、残す方を新しく契約する形。アクサ損害保険の「バイクを買い替える場合」は、買い替えでバイクが変わるときは車両入替の手続きが要り、新しいバイクの納車前に済ませるよう案内している。そのうえで、それまで使っていたバイクもそのまま使うなら、新たにバイク保険の契約が必要になる、と書いている。入替は1台ぶんの契約を別の1台に移す手続きで、2台を同時に補償するものではない。
2つ目は、今の契約はそのままにして、大型を2台目として新しく契約する形。損保ジャパンのバイク保険の割引のページによると、二輪自動車を11等級以上で契約している人が2台目以降の二輪自動車を新たに契約する場合、名義などの条件を満たせば7(S)等級が適用される(割増引率は38%割引)。ただ、2台目の割引がバイクに使えるかは会社で分かれる。4社の条件は保険の等級と2台目の割引の記事で比べている。
ここからは筆者の読み方です。どちらの形が安いかは、今の等級、大型と中型の保険料の差、誰が乗るかで変わる。同じ補償の中身で、両方の組み方の見積もりを取って比べるのが確実だ。2台目を使わない期間が長いなら、その間の補償をどうするかも保険会社に聞いておきたい。
残すか売るか:筆者が考える目安
ここからは筆者の読み方です。お金の数字だけで決める話ではないので、目安として読んでほしい。
残す方に向く人
- 通勤や近所の足に、軽いバイクを毎日のように使っている
- 大型は週末のツーリング用で、平日は小回りのきく1台がほしい
- 置き場所が2台分あり、乗らない月のバッテリーやタイヤの手入れに手をかけられる
売る方に向く人
- 大型を買ったら、今のバイクに乗る場面が思い浮かばない
- 大型の購入資金の足しにしたい
- 400ccで、次の車検が近い(車検を通してから売るか、先に売るかの分かれ目になる)
迷うなら、まず今のバイクの値段を聞いてみる手がある。値段が分かれば、「上の節の固定費と保険料を毎年払って残す」のと「その金額を大型の資金に回す」のを、同じ土俵で比べられる。KATIXのよくある質問は、査定額に納得できなければ売らなくてよいと答えている(売却を確定したあとに自分の都合で取り消すと、キャンセル料を求められる場合がある)。乗らないまま冬を越すかどうかで迷っているなら、冬に乗らないバイクを売るか保管するかの記事も参考になる。
売るなら:値段は待っても上がりにくい
売ると決めたときに知っておきたいのが、時期の話だ。KATIXのよくある質問は、売るのによい時期として、新生活の買い替えが多い3月と、ツーリングが盛んな9月〜11月ごろ、それに車検前を挙げている。一方で、買取相場は毎日少しずつ動き、走行距離が増えたり年数がたったりすると価値は下がるので、手放すと決めているなら早めに査定を、とも書いている。
税の区切りも一つの目安になる。柏市の案内は、軽自動車税は4月1日時点の所有者にかかり、月割の課税がないので年度の途中で手放しても月割の還付はできない、としている。春に大型の納車を待つなら、今のバイクの名義が4月1日までに移るかで、その年度の税を誰が払うかが変わる。詳しくは3月に売るときの軽自動車税の記事にまとめた。
自賠責は、国土交通省の自賠責保険・共済のよくある質問にあるとおり、原付を含むすべての自動車に加入が義務付けられている。2台持ちなら2台とも必要で、売れば新しい持ち主の側の話になる。
売って乗り換える段取り
大型の購入と、今のバイクの売却を並べると、順番は次のようになる。細かい日数の組み方は乗り換えの順番の記事を見てほしい。
- 大型の購入先と納車日を決める。納車日が決まらないと、売る日も保険の入替の日も決められない。
- 今のバイクの値段を聞く。買取の見積もりと、購入店の下取りの両方を聞いて比べる。
- 任意保険の入替を納車前に済ませる。アクサは納車日が決まったら速やかに、としている。
- 売却を確定し、引き渡す。査定額はいつまで有効か、引き取りはいつか、名義変更はいつ終わるかを確かめる。
KATIX(写真で査定)
KATIXは、自分で撮った写真を複数の買取業者が見て査定し、金額の高い順に並べてトップの業者を案内する仕組みだ。よくある質問では、利用料も引上げ費用もかからないとしている。注意したいのは、出した査定額を保てるのは基本的に提示した日を含めて2〜4日という点と、出品後は原則として走らないよう求めている点。大型の納車日が決まってから写真を撮る、という順にすると、乗れない期間を短くできる。KATIXの流れはKATIXの記事にまとめている。
一括査定買取マッスル(Webで比べる)
一括査定買取マッスルは、メールアドレスを送ると届く専用ページで最大8社の買取業者の査定額を比べられ、出張査定を頼むかどうかは任意としている。見積りは24時間を目途に出そろう、と書かれている。公式ページ(トップとよくあるご質問)には査定額の有効期間や引き渡し日の決め方は書かれていなかったので、価格の提示を受けたら、いつまで有効か、納車日に合わせて引き渡せるかを売却先に確かめてほしい。複数の買取店を比べる考え方は一括査定の記事にある。
ただし、地域によっては見積もりが付かないことがある。マッスルの公式の買取事例(新しい順の50件・2026年9月28日確認)では、関西(大阪・兵庫・京都・和歌山)の14件はすべて1社以上の見積もりが付いた一方、静岡・愛知・北海道・宮城の11件はすべて0社で、東京も9件中4件が0社だった。

まとめ:大型免許を取ったら、今のバイクで確かめること
- 残すと毎年かかるお金を出す。軽自動車税は250cc以下で年3,600円、250cc超で年6,000円(さいたま市)。自賠責は2026年11月1日以降に始まる契約で、250cc以下の12か月が7,800円、250cc超の24か月が9,640円。250cc超は車検も要る。
- 任意保険は2通りで見積もる。今の契約を大型に入れ替えて残す方を新規にするか、今の契約を残して大型を2台目にするか。
- 売るなら早めに値段を聞く。KATIXは、年数がたつと価値は下がるとしている。
- 4月1日をまたぐかを見る。軽自動車税はその日の所有者にかかる。
- 納車日が決まってから、査定・入替・引き渡しを並べる。
参考にした情報源
- 軽自動車税の概要について(さいたま市)
- 年度の途中で譲渡・廃車した場合の軽自動車税(柏市)
- 自動車損害賠償責任保険基準料率(2023年1月届出・損害保険料率算出機構)
- 自動車損害賠償責任保険基準料率(2026年4月30日届出・損害保険料率算出機構)
- 自賠責保険基準料率届出のご案内(損害保険料率算出機構)
- 自賠責保険・共済 よくある質問(国土交通省)
- 道路運送車両法(e-Gov法令検索)
- 道路運送車両法施行規則(e-Gov法令検索)
- バイクを買い替える場合(アクサ損害保険)
- バイク保険 各種割引(損保ジャパン)
- よくあるご質問(KATIX)
- 一括査定買取マッスル(公式サイト)
- よくあるご質問(一括査定買取マッスル)
- 買取事例(一括査定買取マッスル)



