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走行距離が多いバイクは売れる?5万km・10万kmの査定の見られ方を、買取各社の公式の説明で確かめる

走行距離が多いバイクは売れる?5万km・10万kmの査定の見られ方を、買取各社の公式の説明で確かめる

5万km、10万kmと走ってきたバイク。売ろうと思っても、そもそも値段がつくのかが分からないと、査定を申し込む気にもなりにくい。

この記事では、買取各社が公式サイトで走行距離をどう説明しているかと、業界団体がメーターの距離をどう扱っているかを確かめた。先に分かったことを書くと、次の3つだ。

  • 「何km以上は買い取らない」という線は、今回見た公式ページには書かれていなかった。KATIXが自社の売買データから出した表では、国内4メーカー×排気量の24区分のうち20区分で、10万キロを超えたバイクが取引されている。
  • 距離でどれだけ下がるかは、車種でかなり違う。KATIXの記事では、2万キロまで急に値落ちするとされるモデルもあれば、5万キロを超えても状態が良ければ高く評価されやすいとされるモデルもある。
  • 距離の多さとあわせて確かめたいのは、その距離が正しいと示せるか。メーターを交換したのに記録が無いと「走行距離減算車」として扱われ、価値が下がることがある。

内容は2026年9月25日に各社・各団体の公式ページで確かめたもので、変わることがある。査定を申し込む前には、公式ページで最新の内容を見てほしい。

目次

走行距離は、査定のどこで見られるか

まず、走行距離が査定の材料に入っていること自体は、各社の公式サイトからはっきり読める。

バイクワンの公式サイトのよくある質問は、バイクを売りたいときの進め方として、年式・車種・走行距離・程度といったバイクの詳しいことを確かめてから、公式サイトかフリーダイヤルで出張買取を申し込む流れを案内している。

同じサイトのオンライン自動査定では、走行距離を数字で打ち込むのではなく、区切りから選ぶ。区切りは短い順に、5,000まで/5,001から15,000/15,001から30,000/30,001から上、の4つ(単位はkm)と、「不明もしくは指定なし」だ。

不明を選ぶと、データ全体の平均が表示されるという。いちばん長い区切りは30,001から上をひとまとめにしているので、5万kmのバイクも10万kmのバイクも、この自動査定の上では同じ区切りに入る。

ここからは筆者の読み方です。自動査定で出る数字は、距離の多いバイクほど「区切りの中のどこにいるか」が反映されにくい。5万km・10万kmのバイクは、自動査定の数字だけで判断せず、実物か写真を見てもらったうえでの査定額で比べたほうがよい。

KATIXの公式サイトのバイクの記事でも、BMWの買取相場の表の前に、買取価格は年式や走行距離によって変動し、バイクの状態やカスタム内容などでも異なる、と注意書きが付いている。

何万キロで売られているか(KATIXの売買データ)

KATIXの公式サイトのバイクの記事「バイクの寿命は何キロ?」(2025年1月19日更新)には、過去3年間の約23万件の売買データから作った表が2つ載っている。記事の中の「過去3年間」がいつからいつまでかは、書かれていない。

いちばん長く走っていた距離

1つ目の表は、メーカーと排気量(50cc・125cc・250cc・400cc・750cc・750cc以上の6区分)ごとに、売買された中で最も長く走っていた走行距離をまとめたものだ。国内4メーカーについて、10万キロを超えている区分を拾うと次のようになる(表にはこのほか、海外メーカーの行もある)。

メーカー 10万キロを超えている区分 超えていない区分
ホンダ 6区分すべて(いちばん短い区分で16万キロ、長い区分で26万キロ) なし
ヤマハ 6区分すべて(いちばん短い区分で14万キロ、長い区分で36万キロ) なし
スズキ 50cc以外の5区分(13万キロから24万キロ) 50cc(9万キロ)
カワサキ 250cc(17万キロ)・750cc(23万キロ)・750cc以上(16万キロ) 50cc(7万キロ)・125ccと400cc(どちらも10万キロ)

KATIXはこの表を「寿命」の目安として載せている。ただ、売買のデータから作った表なので、読み方を変えれば、上の24区分のうち10万キロを超えている20区分では、10万キロを超えたバイクにも取引があった、ということになる。その値段がいくらだったかは、この表には無い。

売られることが多い距離

2つ目の表は、メーカーと排気量ごとに、平均で何キロあたりで取引されているかをまとめたものだ。KATIXによると、売られるときの距離は平均で2万キロ前後に集まっていて、125cc以下に限ると1.7万キロ付近になる。その理由として、重要な部品で修理が高くつくものの平均寿命が約2万キロだから、と説明している。

ここからは筆者の読み方です。5万km・10万kmのバイクは、売られる距離の平均よりはっきり多い側にいる。値段がつくかどうかより、「平均的な距離のバイクと比べて、どれだけ下がるか」を知りたい、という形で考えたほうが、査定額を見たときに納得しやすい。

距離でどれだけ下がるかは、車種で違う

KATIXの公式サイトのバイクの記事には、車種ごとに、走行距離と買取相場の関係を説明しているものがある(記事のURLは参考の欄に載せた)。ここでは2つのメーカーの記事から、距離に触れているところを拾う。どちらもKATIXが業者間の取引データなどから出した傾向で、ほかの車種にそのまま当てはまるものではない。

ハーレーダビッドソン

KATIXのハーレーの売却先の記事(2025年1月20日更新)は、シリーズによって距離の効き方を分けて書いている。

  • スポーツスター・ソフテイル:2万キロまでは急速に値落ちする傾向がある、としている。走行距離ごとの買取相場のグラフから、1000kmごとに2万円値落ちしている計算になる、とも書いている。その理由としてKATIXは、この2つはバイクに乗り始めたばかりの人が買うことの多いモデルで、買う側が距離の短い車両を選びたがることを挙げている。
  • ツーリング系・CVO:走行距離が5万キロ以上でも(CVOでは5万キロを越えても)、コンディションが良ければ高く評価される傾向がある、としている。

BMW

KATIXのBMWの売却先の記事(2025年1月20日更新)は、G310R・G310GS合わせて約210台の買取相場を、走行距離ごとに並べたグラフを載せている。高く売るには多くの場合、距離が浅いうちに手放すほうがよいとしたうえで、Gシリーズについては、1万キロを超えても値段が落ちにくく、2万キロを超えた車両でも20万円台の値がつきやすい、と書いている。

ここからは筆者の読み方です。同じ会社の同じ時期の記事でも、「2万キロ以内に手放すのがおすすめ」とされる車種と、5万キロを超えても状態が良ければ高く評価されやすいとされる車種がある。自分のバイクの距離が多いかどうかは、一般的な「何万km」ではなく、その車種の中で比べないと分からない。

距離とあわせて確かめたい「その距離は正しいか」

走行距離の多さとは別に、値段に響くことがあるのが、メーターの表示と実際に走った距離が合っているかどうかだ。

中古バイクの走行距離は4つに分けて扱われる

一般社団法人 自動車公正取引協議会の二輪の走行距離表示のパンフレットによると、バイクオークションに出された車両は、検査員や、日本二輪車オークション協会が運用する走行距離管理システムで距離が正しいかを確かめられ、その結果が、公正競争規約にもとづく次の4つに分けて表示される。

区分 パンフレットの説明(要約)
実走行距離数 車両の状態がメーターの表示に見合っていて、車検証や点検整備記録簿などの記録から交換・減算の事実が見られない
走行メーター交換歴車 公取協の「走行メーター交換記録シール」が車両に貼ってある
走行距離減算車 記録簿やオークションの履歴などで距離の減算が分かった/メーターが交換されているのに交換の記録が無い
走行距離数に疑義がある車両 交換や減算の記録は無いが、車両の状態などからメーターの表示が正しいと言い切れない

ここでいう公正競争規約は、消費者庁の説明によると、景品表示法第36条にもとづき、公正取引委員会と消費者庁長官の認定を受けて、事業者や事業者団体が表示などについて自主的に決める業界のルールだ。

同じパンフレットは、減算車と疑義車は、広告やプライスカードに走行キロ数を表示することができない、としている。

メーター交換は、記録があれば問題にならない

同協議会の走行メーター交換歴車のページは、バイクは故障やカスタムでメーターを交換することがあり、交換そのものは問題ない、としている。問題になるのは、交換前後の走行距離などの記録が作られず、実際の距離が分からない車両として流通していくことだ。そのため交換するときは「走行メーター交換記録シール」に記入して車両に貼り、交換の記録を残すよう求めている。

同じ特設ページのよくある質問には、販売店向けに次のような答えが並んでいる。

  • シールを貼ってあれば、売るとき(買取り・下取り)も、実際の距離が分かっているバイク(実走行車)と同じ扱いになる。貼っていなければ「減算車」の扱いになり、車両の価値が下がる。この2点をユーザーにきちんと説明するよう、販売店に求めている。
  • シールの貼付を拒まれたときは、下取りや買取りの際に減算車であることをしっかり伝えて売るよう促す。
  • メーターを交換してもICチップなどに記録された距離がそのまま表示される交換(セットアップ交換)でも、交換したことに変わりはないので、交換の記録を作って残す。
  • シールの貼り場所は、シート下のフレーム(シートレール)。原付のスクーターでシートレールに貼りにくいときは、シート下の荷物入れの中で、メーカーがリサイクルシールなどを貼っている部分の近く。

ここからは筆者の読み方です。転倒やカスタムでメーターを替えたことがあるバイクは、査定の前にシート下にシールがあるかを見ておきたい。シールが無く、交換した店の記録も手元に無いなら、査定のときに交換したことを自分から伝えるほうがよい。上のよくある質問でも、シールを貼らないまま売る人には、減算車であることを伝えて売るよう促す、としている。

距離が多いバイクを査定に出す前にやること

ここまでの内容から、距離が多いバイクを査定に出す前にやっておくことを並べた。各社の公式ページと公取協の資料をもとにした筆者のまとめで、各社がこの順で求めているものではない。

  • □ 申し込む日のメーターの距離を読み、写真に撮っておく
  • □ メーターを交換したことがあるか思い出し、あればシート下の交換記録シールを確かめる
  • □ 点検整備記録簿や整備の明細を探しておく(公取協の説明では、記録から交換・減算の事実が見られないことが「実走行」の条件の1つ)
  • □ 自動査定の数字だけで決めず、写真か実物を見てもらったうえでの査定額を、2社以上で比べる

日ごろの整備をどの距離・どの時期にやるかは、バイクのメンテナンスの頻度の記事にまとめている。売るときに整備の記録を出せるよう、今のうちから明細を残しておくとよい。

どこに査定を出すか

ここで取り上げた2社は、査定の受け方が違う。

  • バイクワン:出張買取。よくある質問では、公式サイトかフリーダイヤルで申し込めば即日無料で自宅に来る、としている。同じよくある質問は、「バイク買取専門店とは?」という問いへの答えの中で、改造車・事故車・不動車を含め、全てのバイクを買い取れる、としている(走行距離についての条件は、この答えには書かれていない)。
  • KATIX:BMWの記事では、オークション形式でバイクを売るサービスで、査定は無料で、写真を撮るだけで査定を受けられる、と説明している。上で見た売買データや車種別の相場の記事も、同じサイトで公開している。

一括査定・入札型・出張買取の違いはバイクの査定・買取サービスの比べ方の記事で、今の値段の知り方はKATIXの記事で、査定額を上げるための準備はバイク買取のコツの記事で扱っている。

まとめ

  • 今回見た買取各社の公式ページには、「何km以上は買い取らない」という線は書かれていなかった。KATIXの売買データの表では、国内4メーカーの24区分のうち20区分で、いちばん長く走っていたバイクが10万キロを超えている。
  • バイクワンのオンライン自動査定は、走行距離のいちばん長い区切りが30,001から上のひとまとめ(単位はkm)。5万km・10万kmのバイクは、実物か写真を見てもらったうえでの査定額で比べる。
  • 距離による値落ちの仕方は車種で違う。KATIXの記事では、スポーツスター・ソフテイルは2万キロまで急速に値落ちする傾向、ハーレーのツーリング系・CVOは5万キロ以上でも状態が良ければ高く評価される傾向、とされている。
  • メーターを交換したのに記録が無いと、「走行距離減算車」として扱われ、価値が下がることがある。交換したことがあるなら、シート下の交換記録シールを確かめ、無ければ査定のときに伝える。

参考にした情報源

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ハーレーFXBR
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